「名古屋走り」地元民、移住先の福井の運転マナーの方が怖っ! 歩いてる時、車が…冷や汗【福井県立大学生コラム】
僕は大学進学を機に18年生まれ育った名古屋を離れて福井に住むことになり3年目となる。ある程度は福井での生活に慣れてきたが、いまだに慣れないことが1つだけある。 それは福井での運転マナーだ。大前提として、全員が全員、運転マナーが悪いわけではもちろんない。僕が名古屋出身だと話すと、「名古屋で運転するのは怖くない?」や「名古屋走りって荒いでしょ」などといった言葉をよく言われる。前者の言葉は車線が多い道路や交通量が多い道路がたくさんあるから怖いというニュアンスも含まれていると思うが、後者の言葉は怖い、荒い、運転マナーが悪い、という意見そのものだろう。 名古屋で18年間過ごし、今でも実家に帰るたびに運転している僕からすると、名古屋よりも福井の運転の方が、マナーが悪く、怖いと言える。 「福井の運転は怖いから事故にあわないように気を付けて」。この言葉は引っ越しの手伝いをしてくれた母親が実際に言った言葉である。名古屋では日常的に車を運転している母は、不動産屋との契約なども含めて5、6回ほど福井で運転した体験から、このようなことを感じたようだ。 それに対して僕は「名古屋走りのほうが怖いでしょ」と思ったが、すぐに意見が変わった。なぜならば、母親が怖いといっていたことが実際に自分自身で体験したからである。例を挙げるとすると、信号機のない横断歩道で渡ろうとしていても車が一向に止まってくれなかったことや、止まれの標識を無視して車が飛び出してきたこと、車の右左折を歩行者が待たなければいけなかったことなどが多々あった。 このような運転マナーの悪さには、福井県が圧倒的な車社会であるという背景が影響していると考える。そのため、歩行者や自転車よりも車が優先されるものだという考えが暗黙の了解的なもので浸透しているのではないかと考える。そのため、運転マナーの改善のためにはほかに地域よりも「歩行者優先」や「譲り合いの精神」がより求められるだろう。一人一人の心掛けや、意識を改めることはとても重要であり、このことが運転マナーの改善、さらには、福井県が安心して住める街づくりにつながっていくと思う。 × × × 福井県立大学の講義「福井の文化と社会」を受講した大学生たちがコラム執筆に取り組みました。今回のコラムは、その中から厳選した作品を掲載しています。