【解説】衆院3補選のポイントは? きょう告示、今月28日投開票
日テレNEWS NNN
衆議院の東京15区、島根1区、長崎3区の合わせて3つの選挙区で、補欠選挙が16日、告示されました。 裏金問題の発覚後、初めての国民の審判が下るというこの補欠選挙の3つのポイントについて、政治部官邸キャップの平本典昭記者が解説します。
16日に衆議院の3つの選挙区で告示された補欠選挙の構図を整理します。衆議院・東京15区はこれまでの届け出順に、9人が立候補しました。自民党と公明党は、候補者の擁立を見送っています。
長崎3区も、自民党は候補者の擁立を見送りました。立憲民主党と日本維新の会の2人が立候補していて、野党同士の争いとなります。一方、「保守王国」として知られる島根1区は今回の補欠選挙で唯一、自民党が候補者を擁立しました。立憲民主党の候補者との争いとなります。 裏金問題の発覚後、初めての国民の審判が下るというこの補欠選挙。ここからは、下記の3つのポイントを、政治部官邸キャップの平本典昭記者とお伝えします。 1.トリプル補選…勝敗ラインは? 2.自民「逆風」保守王国で異変 3.補選結果…政権運営へ影響は?
■勝敗ラインは? ポイントは島根1区がどうなるか
森圭介キャスター 「まず1つめのポイント、勝敗ラインについて教えてください」 官邸キャップ 平本典昭記者 「今回の補選で自民党は3つのうち2つの選挙区で、候補者の擁立を見送りました。このことについて菅前総理大臣は『1つしか公認できなかったのは大変残念』と述べています。選挙体制を構築できなかった今の執行部に、厳しい意見が出ています」 「そもそも今回は、いずれも選挙前には自民党が議席を持っていたんですが、すでに不戦敗となる2敗が確定しています。勝敗ラインについて岸田総理は明確にはしていませんが、ポイントはやはり島根1区の勝敗がどうなるか。自民党が事実上の全敗となるかどうかと言えます」
■保守王国…島根1区 唯一の与野党一騎打ち
森キャスター 「2つ目のポイント、自民『逆風』保守王国で異変、とはどういうことでしょうか?」 平本記者 「島根1区は1996年の小選挙区制が導入されて以来、自民党が1度も議席を落としたことがない『保守王国』、自民党が強い地盤なんですが、今回は状況が違います」 「選挙は細田・前衆議院議長が死去したことを受けて行われます。細田氏はいわゆる“統一教会”との接点が指摘されたことに加え、裏金事件が起きた安倍派の会長を務めていました。ある政権幹部は『統一教会、裏金事件とダブルの逆風だ』と厳しさを吐露しています」 「唯一の与野党一騎打ちとなるだけに、岸田首相が今週末応援に入ることを検討していることに加え、自民党は小渕選対委員長はじめ、幹部が相次いで島根に入ります」 「一方の野党・立憲民主党も、泉代表が週末に入るなど力が入っていまして、ある立憲民主党の幹部は『島根で勝利できれば大きい。1勝以上の意味合いがある』と勝利を狙っています」