「穏やかに過ごせる1年願う」 富山県氷見市の日宮神社、初詣の家族連れでにぎわう
能登半島地震は1日、発生から1年となった。県内の神社・寺院には2日にかけ、多くの県民が初詣に訪れ、被災の記憶を胸に静かに手を合わせた。今年は良い年でありますように。一年の平穏を祈った。 氷見市中央町の日宮神社には1日、穏やかな天候の中、家族連れらが次々と訪れた。同神社は、地震で本殿の基礎にひびが入ったほか、灯籠や境内を囲む玉垣が倒壊。壁に亀裂が走るなど被害が大きかった蔵はやむなく取り壊した。本殿は今も傾いたままで、石段の一部が剥がれているなど爪痕が残る。 地震発生時刻の午後4時10分ごろに神社を訪れた高岡市中曽根の会社員、上野大介さん(42)は、氷見市比美町にある妻の実家に帰省中に地震に遭ったという。「倒れそうな棚を押さえるのに必死だった」と振り返った。比美町を含む沿岸部は液状化の被害が深刻で、「家族の健康と、氷見や能登の復興を願っている」と語った。 氷見市稲積の自宅が傾いて住めなくなり、高岡市野村のアパートで暮らす会社員、野純規(じゅんき)さん(35)は「平和な一年になってほしい」。昨年は地震と転職が重なったといい「本当に大変な年だった。今年は特別なことは望まない。何もなければそれでいい」と願った。
同神社の西宮千晴禰宜(ねぎ)(34)は「昨年は神社にとっても地元の人にとってもつらい年だった。今年こそ良い年になればいい」と話した。