円は対ドルで148円台後半、米金利上昇でドル買い-仲値はドル余剰
(ブルームバーグ): 11日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=148円台後半で小安い。米国で大幅利下げの織り込みが後退し米金利が上昇していることがドル買い要因となっている。一方、午前10時前の仲値決済に向けた実需のドル売りで、円は一時強含む場面も見られた。
スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は、強い米雇用統計で大幅利下げの織り込みが後退し米金利も上昇してきたことから、ドルの押し目買いが出やすいことが円の重しになるとの見方を示した。公示仲値がドル余剰気味の結果だったことから円買いが強まったとも述べた。
10日のニューヨーク市場では、週間の新規失業保険申請件数が1年ぶり高水準となったことを受けて、円が対ドルで148円台前半まで上昇。その後、アトランタ連銀総裁が11月利下げの見送りに言及し、円はやや伸び悩む場面があった。同発言を受けて、米長期金利は7月以来となる4.1%台まで上昇したが、その後は水準を切り下げ、ドルも対円で軟化した。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは11日付のリポートで、「11月に25ベーシスポイント(bp)の利下げはフルには織り込まれていないが、米消費者物価指数(CPI)を経てもメインシナリオとして維持できそうだ」と記した。
--取材協力:酒井大輔.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hidenori Yamanaka