本門佛立宗の僧侶から性暴力、被害受けた弟子の尼僧「大きな怒りを感じています」 宗務本庁は「非常に遺憾」
●尼僧の女性「誰かの力になりたい。公表に踏み切った」
記者会見で、Aさんは「加害者に対して大きな怒りを感じています」と涙した。そのうえで「私の服を脱がせ、体を触ることの意味がわからず、混乱して頭が真っ白でした」と振り返った。 僧侶から「弟子は師匠の言うことにすべて『はい』と従い、返事は『YES』のみ。『NO』はない」などと厳しく教え込まれていたことから、性被害を受けたことがショックなのに、師匠である僧侶に疑問を感じる自分を「自ら戒める」こともあり、気持ちが乱れたとした。 精神的に傷つき、精神科に通院しているという。一方で、今回の公表は、社会的制裁を与えたいという思いから踏み切ったわけではないという。 「身内や宗門からの反対もあり、声に出すことは悪なのかと悩みました。ですが、公表することで、性暴力や性犯罪について1人でも多くの方に関心を持っていただくことと、今まさにとても苦しい思いをしている人たちの誰か1人にでもこの声が届いて、ほんの少しでも気づきや力になれればという思いで踏み切りました」(Aさん)
●本門佛立宗の宗務本庁「裁判が終われば処分を判断」
宗教をめぐる僧侶間の性被害としては、天台宗寺院の尼僧・叡敦さんが男性住職から長期的に性暴力を受けたとうったえている。Aさんは「叡敦さんに力をいただきました」と話す。 本門佛立宗の宗務本庁(京都市)は弁護士ドットコムニュースの取材に「起こったことについては非常に遺憾」などとコメントした。 今回の事件や男性僧侶が裁判で公訴事実を認めたことなどを把握しているという。 僧籍の剥奪など、男性に対する処分について尋ねたところ、「現在係争中でもあり、宗務本庁としての調査が行き届いていない状態ですので、裁判後に宗内での調査・処分の判定をおこなう予定です」と答えた。