「円周率は100桁。競馬NO.1記録は1990年の中山17万7779人」草野仁のスゴい記憶力の秘密【和田秀樹解説③】
草野仁の“太陽のようなパワー”はどこから生まれるのか。東大の先輩・草野と後輩・和田秀樹が“人間のエネルギー”に迫る。『80歳の壁』著者が“長生きの真意”に迫る連載。3回目。 【写真】草野仁×和田秀樹、対談の様子
炭水化物をコントロール
草野 テレビ東京系の健康番組を担当して十数年になりますが、医師が同様に「日本人は炭水化物を摂り過ぎ」と指摘します。米にしても、麦やそば、うどんにしても、炭水化物のパーセンテージが多過ぎだと。例えばご飯を2膳食べる人は1膳に、パンを2枚の人は1枚にする。それだけでも簡単に体重のコントロールはできる。特に男性はそうだ、というような話を聞きましてね。 和田 なるほど。 草野 初めのうちは聞きながら「何言ってんだ。日本人は昔から米を食べないと力が出ないものなんだ」と思ってたんです。だけど頻繁に同じような話が出てくるもんだから「じゃあ、ちょっとやってみるか」と。 和田 実際に試してみた? 草野 はい。3ヵ月ほどで3キロぐらい体重が減ったんです。食べる量だけでなく食べ方も変えてみました。 和田 世間では「野菜を最初に食べるのがいい」なんて言われてますね。 草野 はい。最初から米をかきこむと血糖値がバーッと上がるし、いろんな問題が出てくると言うので、最初に野菜をたくさん食べるようになりました。もちろんタンパク質も取らなきゃいけないので卵なども食べます。そうやって医師が「よい」と言うことを少しずつ実践するようになり、続けています。 和田 その結果、お元気でいる。 草野 はい。体調は安定しています。私のやり方で大丈夫でしょうか(笑)。 和田 実際にお元気なのだから合ってるんですよ(笑)。年を取って、健康面で特に気をつけなきゃいけないのは「栄養不足」なんです。食事量は一般的に、加齢と共に細くなってきます。でもそれにまかせると、当然、痩せてしまいます。 草野 痩せるのはよくない? 和田 一概に「痩せるのがいい」とか「悪い」とは言えません。“痩せ方”には2種類あるんです。ひとつは食べる量がどんどん減っていって痩せるパターン。これは悪い痩せ方です。もうひとつは運動して痩せるパターン。これは悪くはありません。 草野 なるほど。 和田 やっぱり元気なお年寄りは、よく食べますよね。 草野 本当にそうです。 和田 もちろん無理して食べたり、無理して太ったりする必要はありません。食べたいなら食べる。食べられるなら食べる。反対に、食べたいのを我慢して痩せる必要もない。実は「ちょい太ってる」くらいの高齢者のほうが、元気で長生きなんです。明らかなデータがあるのに、多くの人はそれを知りません。 草野 そうなんですね。 和田 はい。草野さんは食べる量がどんどん減ってくるとか、食べるのを我慢して痩せるという感じではないので、いいと思いますね。