5人のパパ&幼稚園の先生・つるの剛士「2回目の育休で”家庭訓練”をした僕は、達成感も評価も無いママたちの辛さに気づいた」
タレントとしてマルチに活躍する一方、保育士資格を持つ5児の父親で“現役大学生”という、つるの剛士さん。多忙な中、2度の育児休暇をとり、積極的に「イクメン」経験を積むと、次は幼児教育の世界に飛び込み、非常勤幼稚園教諭としても勤務。また大学では、こども心理学部で“学び”を継続中といいます。そんな、保育現場も体験されている「先輩パパ」つるのさんに、ご自身の経験や気づきについて語ってもらったり、日々子育てに奮闘しているパパ&ママたちの悩みに「元気が出るアドバイス」をしていただいたりする連載です。 つるの剛士 奥さんとの“出会い”と“結婚”を語る「とにかく攻めました!この人しかないって思ったから」 連載第3回は、第5子の誕生を機に2回目の“育休”を取り、「家庭訓練」を経験した中で気づいたことを語っていただきました。
とことん“イクメン”をやってみようと、2回目の「育休」を取ることに!
初めて育休を取った後、仕事に復帰した僕には“イクメン”という言葉が常についてくるようになりました。でも前回お話しした通り、ただただ2か月間仕事をお休みして、家族と向き合う時間を作っただけのこと。それが「育休を取ったイクメンのつるの」と言われることにどこか違和感を持ち続けていました。 そして、そんなモヤモヤを抱えるなか、6年後に5人目の子を授かった僕は「よし! みんなが言う“イクメン”を追求して、本気でやってみよう」と決心。2回目の育休を取ることにしたんです。 1回目の育休とは入り方も気合いも違いますからね。ねじり鉢巻きにエプロン姿で、奥さんに「赤ちゃんのお世話だけお願い。そのほかのことは全て僕がするから」と宣言! 「わからないことがあったらママに聞くからよろしく」と、メモ帳を片手に臨みました。そのメモ帳は、僕自身が気づいたことやイライラしたこと、辛いと感じたことなども書きこんでいく「育児休業ノート」となり、後々SNSにアップしたことで、世の中の子育てママたちから大反響をよぶことにもなりました。
経験してみないとわからない ママたちの気持ち
朝は5時半に起床。お弁当を作って、子どもたちにご飯を食べさせ、ゴミ出しをして片づけ。お天気を気にしながら洗濯をしてスーパーに買い出し……なんてしているとあっという間にお昼。ふぅーっと一息ついてテレビをつけると自分が出演しているはずだった番組「ヒルナンデス」がやっているんですね。もう、ポケーッと眺めているだけでした。笑う元気がない自分に気づかされるんです。 「この時間にテレビを見ている子育て世代のパパやママはこんな風なのかも」って。視聴者の気持ちに寄り添えるようになりました(笑)。 そしてまたごはんを作って、片づけてと同じことを延々と繰り返していく毎日。そうすると「たまには人が作ってくれたごはんが食べたいなー」と自然と“おいしいランチ”を検索しているんです。そうか、これかあ!と気づきました。ママたちが、「たまにはカフェやレストランでランチしたいのよね」と言う言葉には、「人が作った料理を食べて、片付けもしなくていい時間って最高!」という気持ちが隠れているんですね。 午後は、バタバタしながら塾やおけいこの送り迎え。エプロンをしたまま一日過ごして、気が付くと今日は誰ともしゃべってないな、なんて日もありました。すると、お迎え時間のママたちとのおしゃべりが楽しくてしょうがないんですよね! 「うちの子、プリント出さないものだから、必要ないのに今日もお弁当作っちゃったんですよ」なんてグチったり、ほかのママの話を聞いたりと。そこでまたひとつ気づくわけです。ああ、これなんだと。ママたちは道端で何をたくさんしゃべることがあるんだろうと不思議に思っていたけれど、共感してもらえる人に話を聞いてもらえることって、なんて気持ちが落ち着いて、大切な時間なんだろうって。 そして、気がつくと毎日作ったお弁当をSNSにアップしているんですね。誰にも感謝されない、共感されない“あたりまえ”の毎日に「いいね」がほしかったんです! ママたちが離乳食やお弁当をアップするのって、どんな意味があるんだろうって思っていたことが、ようやく理解できました。本当にいろいろなことに気づかされ、腑に落ちることが多かったです。