【就職ランキング】金融業界への就職、女子大トップは? 卒業生の16%が業界へ
大学通信が調査した「2022年 著名400社 業種別実就職率ランキング 金融編(36社)」で総合13位、女子大では1位にランクインしたのが、東京女子大学です。同大学は、20年でも総合2位にランクインしています。その理由はどんなところにあるのでしょうか。 【ランキング】金融業界への就職1~10位は?
金融業界は安定性や福利厚生の手厚さなどから、以前から学生に人気のある業界です。かつては金融業界を代表する銀行が、また近年は、損害保険会社や政府系金融機関が学生の関心を集めています。 東京女子大学は、2023年卒の学生のうち121人が金融業界へ就職。全卒業生のうちの16%に当たります。同大学は、毎年100~200人ほどの卒業生を金融業界へ送り出しています。大学通信 情報調査・編集部の井沢秀部長は、次のように話します。 「金融業界に限った話ではありませんが、女子大は就職支援が充実しています。今はどの大学でもその傾向が強いですが、特に女子大は男女雇用機会均等法が施行される以前の、女子の就職が厳しい時代に手厚い指導を行ってきて、その伝統が今も続いています。また現在のように女子大が置かれた環境が厳しい時代にあって、大学の出口となる就職をしっかりとフォローすることで、大学の特長として押し出しています」
求められる新たなビジネスモデル
東京女子大学現代教養学部国際社会学科コミュニティ構想専攻4年のSさんは、地方の政府系金融機関への就職が内定しました。地方から上京したことから、「地元の経済を活性化させることに貢献したい」という思いで就活をスタートし、出身地の企業を中心に就職試験を受けました。当初は、金融業界はあくまで候補の一つでした。 「業界を絞らずに地元企業を受け、数社から内定をもらい、最終的に入社を決めたのがその金融機関です。金融機関は業務の特性上、業界を問わず、さまざまな企業と関わりがあります。融資の交渉となれば、経営者と話す機会も多くあります。そうしてさまざまな企業の話を聞くことで、地元経済が抱える課題と解決策を見いだし、経済を活性化させることで、自分が生まれ育った地元に恩返しをしたいと思っています」(Sさん) 銀行は企業に資金を融資し、返済の際に利息を受け取ることで収益を上げるのが伝統的なビジネスモデルです。しかし、現在は金融緩和の影響により低金利が続いていて、融資だけで収益を上げるのが難しい状況になっており、Sさんが入社する政府系金融機関も新たなビジネスモデルを構築する必要に迫られています。 「新卒生ならではの新しいアイデアをもたらしたり、自分から行動に移したりできる将来性を評価されて採用されたと感じています。実際に社員の方から『行動力と、地域へ貢献したいという気持ちを評価した』と教えてもらいました」(同)