ハーレーの中古車事情は? 認定中古車専門店に聞いてみた
――新車と比べて価格の違いはいかがですか? 大塚さん:本当にモデルによりけりで、100万円以下のものもあれば新車と大差ないものまであります。逆に、空冷スポーツスターなどは定価の倍くらいの値段になっています。 安くしすぎてしまうと、ブランド価値が下がってしまいます。正直なところ、当店が扱う認定中古車が安いかと言われれば、むしろ高いと思います。その分、お客様の好みに合わせてカスタムをしたり、整備内容をより充実させるなどして車両に付加価値を与えて、他店との差別化を図っています。 ――とにかく安く売ろう、というわけではないんですね。 大塚さん:安いから認定中古車を選ぶという方は少なくて、どちらかといえば、値段よりも車種にこだわりのある方が多いです。例えば、フォーティーエイトに乗りたくて免許を取ったという方はよくいらっしゃいます。
――空冷スポーツスターの場合は、すでに生産が終了しているので、中古車でしか入手できないわけですからね。 大塚さん:新車では売っていないし、けっこうな金額を出して買うのなら、ちゃんとしたところで買いたいという方が圧倒的に多いですね。ネットオークションなどで多少は安く買えたとしても、後が大変です。だから、金額がちょっと高くても程度がよくて、保証もついた安心して乗れる車両が欲しいという方には、当店を選んでいただけているのかなと思います。 ――認定中古車のクオリティーに店舗によって差はあるのでしょうか? 大塚さん:正直に言えば、あります。もちろん、ハーレーダビッドソン ジャパンが定める基準はクリアしている車両ですから、どこで購入しても一定の水準は保証されますが、そこから先は販売店次第です。当店は、好みのカスタム車両が最初から手に入れられるということをメリットとして売り出していますが、その上で、販売する時には新車以上のコンディションだと自信を持っておすすめできるように、手間暇をかけて整備しています。 ■認定中古車のトレンドは? 新車よりも安く買えるのが中古車のメリットかと思っていたが、価格よりも、すでに生産が終了している車両やカスタム済みの車両が購入できるところが魅力としては大きいようだ。理想の車両でハーレーデビューを飾れるのであれば、認定中古車という選択肢も悪くなさそうに思える。 最後に、これから人気が出そうな認定中古車について大塚さんに聞いてみると、「認定中古車として販売できる期間が限られるので、近い将来という意味であれば、引き続き空冷スポーツスターだと思います。ただ、それ以降であればミルウォーキーエンジンが定番中の定番なので、ブレイクアウト、ローライダーS、ストリートボブが人気の中心になっていくのではないでしょうか」とのことだった。 ■ 安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。
安藤康之