北朝鮮がいらだち?……与正氏、相次ぐ“談話”の思惑 早紀江さん「もう本当に時間がない」 日朝首脳会談は【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正(ヨジョン)氏が、相次いで談話を発表。26日の談話は日本との交渉を拒否する強硬な内容でしたが、25日は首脳会談をちらつかせ、日本に変化を求めるものでした。約20年進展のない拉致問題に影響はあるのでしょうか。 そこで今回の#みんなのギモンでは、「与正氏の談話 思惑は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。 ●2 か月連続 日本にいらだち? ●日朝首脳会談 どうなる?
■既に駆け引きが?…談話の中身と狙い
近野宏明・日本テレビ解説委員 「北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏はなぜ談話を発表したのでしょうか。25日の談話の内容について考えます」 「『最近も岸田首相は、異なるルートを通じて可能な限り早いうちに国務委員長に直接会いたいという意向を我々に伝えてきた』。国務委員長とは金総書記のことです。つまり、岸田首相が直接の首脳会談をしたいと伝えてきている、という内容です」 森圭介アナウンサー 「重要な外交交渉を一方的に談話という形で発表するのは驚いたんですけど、どういう意図があったんでしょうか?」 近野解説委員 「当然のことながら、この段階である種の駆け引きが始まっているようなものですから、北朝鮮側にとっては有利に働くと思ってやっていると考えるのが自然ですよね」
■約1か月半で改めて発表…ナゼ?
近野解説委員 「具体的にどういう意図が込められている可能性があるのか。日本に対するいらだちについて考えます」 「そもそも、与正氏は2月15日にも談話を発表しています。この時は『日本が政治的決断を下せば、岸田首相が平壌を訪問する日が来る可能性もある』という見解を示していました。1か月半ほどで、また改めて 25 日に談話を発表したのはなぜなのでしょうか」 「北朝鮮情勢に詳しい慶応義塾大学の礒﨑敦仁教授は、『2 月の談話以降、岸田政権に変化が見られないことに対して北朝鮮側が不快感を示してきている』と分析しています」
■「金総書記と会いたいのであれば…」
近野解説委員 「北朝鮮側が求める変化とは何でしょうか。25日の談話では『新たな道を開く上で重要なのは日本の政治的決断だ』『これ以上解決すべきこともない拉致問題に固執すれば、岸田首相の考えが人気集めに過ぎないという評判を避けられなくなる』としました」 「2月の談話でも25日の談話でも、同じ主張をしていました。金総書記と会いたいのであれば、これ以上、北朝鮮としては解決済みとしている拉致問題を取り上げないように。岸田首相はそうした政治的決断をすべきだと主張しています」 鈴江奈々アナウンサー 「北朝鮮の主張はそうなんでしょうが、日本としては決して譲ることができない拉致問題で、特に待っていらっしゃるご家族のことを思うと、とにかく時間だけが過ぎている今のこの状況は本当に歯がゆいですよね」