松井大輔氏が引退試合で7ゴール 「色々な人に見送られて幸せな時間を過ごせた」
横浜FCのOBで、元日本代表MF松井大輔氏の引退試合が15日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた。松井氏は前半9分に三浦知良のシュートのこぼれ球から先制点を奪うと、前半だけで3得点を記録。後半に入っても勢いは止まらず試合を通して7得点の大活躍を見せ、1万363人集まったスタンドを沸かせた。 松井氏は試合後の会見で「自分と関わっていただいた、お世話になった人たちと一緒にボールを蹴るという、そういう引退試合にしたかった」と自身のラストマッチについて話すと、「みんなと楽しく出来た。自分の好きな選手や色々な人に見送られて幸せな時間を過ごせた」と感謝した。 試合では松井氏が活躍した南アフリカW杯を再現する場面も。まずは前半40分、カメルーン戦で松井氏のアシストから本田圭佑が自身のW杯初得点を決めたシーンを彷彿(ほうふつ)させるようなプレーを演出。本田は「最初はあのゴールを再現することを知らなかった。2~3秒後に気づいた」と苦笑いを浮かべるも「(1番印象に残るゴールで)ほぼそのゴールと答えてきた。自分にとって大きかったし、大ちゃんには感謝しないといけない」と振り返った。 試合終了間際にはもう一つドラマが待っていた。後半46分、「ちゃんと予行練習していた」(香川真司)と吉田沙保里氏のファウルを香川がエリア内で受けPKを獲得すると、松井氏は元日本代表DF駒野友一氏を指名。駒野氏は南アフリカW杯の決勝トーナメント1回戦パラグアイ戦のPK戦で失敗。両チームで唯一決められず、下を向く駒野氏に最後まで寄り添い励ましたのが、他でもない松井氏だった。大型ビジョンに「あれから14年…」と映像が流れた後、駒野氏がゴール左へ沈めこの日一番の歓声がピッチに注がれた。 松井氏は最後のPKについて「(駒野氏は)PKを外した後、家族となかなか普通の生活が出来なかった。笑いじゃないですけど、彼が人生をうまく先に進められるようになれたら」と14年越しの“悪夢”払拭(ふっしょく)のため企画したことを明かすと「たくさんの人が喜ぶような演出がちょっとは出来たかな」と満足そうな表情を浮かべた。
報知新聞社