シロアゴガエルの侵入防げ 外来種対策で環境省講座 奄美大島
環境省のワークショップ「見分けよう!島のカエルとシロアゴガエル」が21日夜、鹿児島県瀬戸内町の町立図書館・郷土館であった。与論島と徳之島で侵入が確認されている特定外来生物「シロアゴガエル」について、専門家が特徴や生態を説明。「本来の生態系を脅かす外来種を見張る『目』を養って」と参加者に呼び掛けた。 シロアゴガエルは東南アジア原産、体長5~7センチ。口の上側の白い縁取りと、指先の大きな吸盤が特徴で、オスは「ギィ、グィッ」と単発的に鳴く。高い場所に上り、春から秋にかけて直径5~8センチの卵塊(泡巣)を池や水面上の木の枝、壁面などに産む。 国内では1960年代に沖縄島中南部で生息を初確認後、急激に分布を拡大し2000年代にはほぼ全域に定着した。奄美群島では与論島で13年に県内で初めて侵入が確認され、徳之島でも数年前から定着していることが分かった。 ワークショップは地域で問題意識を共有してシロアゴガエルの拡大防止を図る目的で、奄美海洋生物研究会(興克樹会長)が受託。20日は奄美市名瀬でも実施した。 瀬戸内町では、児童と保護者ら約20人が参加した。同研究会の打和侑菜調査研究員(33)は奄美在来のカエルとシロアゴガエルの鳴き声や見た目の違いを説明し、外来種定着によって固有の生態系が変化する危険性を指摘。「怪しいカエルを見掛けたら動画や写真を撮って関係機関に連絡を」と呼び掛けた。 座学の後は会場周辺で、録音した鳴き声などへの鳴き返し反応で生息状況を調べる「コールバック調査」も実践した。きょうだいで参加した古仁屋小の児童らは「鳴き声のまねをしてシロアゴガエルの声を覚えた」「カエルは苦手だけど、鳴き声を聞き比べたらかわいいのもいてちょっと興味が出た」と話していた。