日本ロック史上最強のトリオ“ブランキー”初期最高傑作【アナログで聴きたい名盤】
【BLANKEY JET CITY/C.B.Jim(1993年)】 日本ロック史上最強のトリオ、ブランキーのサードアルバムにして初期の最高傑作。ブランキーの全アルバムは今年から待望のアナログ化が始まり、同作は11月に発売された。オープニングの「PUNKY BAD HIP」のとてつもない疾走感で幕を開けるや、ベンジーの世界観が全開する名曲がズラリと並び、息をつく間もない迫力に満ちている。 とにかくすさまじいとしか表現するしかない「D.I.J.のピストル」では中村達也が異常なテンションでドラムを叩き、照井利幸は真っ向からケンカを仕掛けるようにベースを鳴らす。そこにベンジーのギターとボーカル。ハイレベルの演奏技術を誇る3人が殴り合うような展開は声を失う。まるでプログレバンドがパンクをやっているようでもある。 ギリギリのテンションで聴く者の胸を締めつける「12月」、ベンジーの抒情性が全面に出された「ライラック」、先行シングルとは別のストリングスを加えたバージョンの歴史的大作「悪いひとたち」でアルバムは幕を閉じる。このまま続けていたら死ぬのではないかと思えるほどの緊張感に満ちた作品で、今聴いても全く色あせない。ぜひ今回を機にアナログ盤で聴いてほしい。ある意味、奇跡的なアルバムである。
東スポWEB