小林麻美が考えるジェントルマンとは “伝説のミューズ”が思い出をたっぷり語った!
Vol.4 昭和のカリスマたちから発する甘く危険な香り
Vol.4は、彼女が実際に会ってきた“ジェントルな男性”について語る。 「「ジェントルな男性ですか? うーん、最近ですと寺尾聰さんかな。昨年の紅白にもご出演なさっていて、かっこよかったです。あの年齢であの感じはなかなか出せません。実は歌手でデビューする前に一度、共演しています。50年以上前ですが(笑)。それ以来、ご縁がなかったのですが、数年前、友人に誘われて寺尾さんのライブに行き、その時のライブがあまりに忘れられなくて、今年もまた行きました。とてもお元気で、3時間近くのライブ。『ルビーの指輪』でクライマックスを盛り上げて、ステージを降りたのち、最後にギター抱えて出てきて、『アロハオエ』を弾き語りで切々と歌うの。それもお客さんひとりひとりを眺めるように歌ってくれて、もう泣きそうでした。『アロハオエ』って、別れの悲しい歌ですよね、沁みたなあ。盛り上げたままじゃなくて、やさしく鎮めてくれて、最後に『気をつけて帰ってね』ですって。おかげで帰り道がとてもいい気分でした。まさにジェントルマン、大人ですよね。ライブが終わって、バックステージに呼んでもらって、50年ぶりかにお話をしたのですが、『久しぶりだな』とドラマで共演したことも覚えていてくれました。大昔の話なのに。それもうれしかったです……(続く)」
Vol.5 今も色あせない、キラキラとしたTOKYOの記憶
Vol.5は、生まれ育ったTOKYO=東京を振り返る。 「東京生まれで、何十年も暮らしているにもかかわらず、正直言ってそれほど知らないのです。生まれ育った大森、銀座、原宿、青山、六本木、渋谷くらいですかね。新宿はあまりわからないし、特に東側はほとんど馴染みがないです。先日、免許の更新で東陽町に行ったのですが、ほぼ初めてくらいで、東京といえども、知らないところがまだまだたくさんあります。考えてみたら、本当に狭いエリアでしか活動していなかったようですね……(続く)」
【プロフィール】小林麻美(こばやしあさみ)
1953年生まれ、東京都出身。1972年『初恋のメロディー』で歌手デビュー後、資生堂、パルコなどのCMが話題に。1984年には松任谷由実がプロデュースした『雨音はショパンの調べ』が大ヒット。1991年、妊娠、結婚を機に引退。25年の時を経て、2016年ファッション誌『クウネル』(マガジンハウス)の表紙で復帰。 文・古谷昭弘 写真・藤田一浩 ヘア・松浦美穂(TWIGGY.) メイク・COCO 編集・稲垣邦康(GQ)