【生活保護】大都会に住む月収8万円の独身男性は保護費を月額いくら受給できる?
厚生労働省の「生活保護制度の現状について」によると、2022年3月時点の生活保護受給者は約204万人、約164万世帯となっています。2015年3月以降、減少傾向にあるものの、現在も多くの方が利用している状況です。 ◆【推移】生活保護世帯数は2015年をピークにやや減少 生活保護は、住んでいる場所や年齢、家族構成などにより支給額が異なり、給与や年金などの収入がある場合は、その分を差し引いた金額が支給されます。 本記事では、生活保護の概要を確認するとともに、収入があるケースで生活保護費がいくらもらえるのかをシミュレーションしていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
生活保護とは
生活保護は、病気や家庭の事情などにより働けず、生活が苦しい方に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、経済的に自立できるようサポートする制度です。 生活保護費を受給するためには、決められた条件を満たしていなければなりません。世帯全員が保有している資産を生活費に充て、また、働く能力があれば働いて収入を得るなどして生活費に充てる必要があります。それでも世帯収入が最低生活費に満たない場合に、支給対象となるのです。 生活保護費には、生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8つの種類があり、該当するものが支給されます。 それぞれの扶助の内容は上記の通りです。
生活保護費の計算方法
生活保護費の計算方法を確認していきましょう。計算するうえで、「最低生活費」や「級地区分」など、理解しておくことがあります。 ●最低生活費を求める 生活保護でいくらもらえるのかは、生活扶助や住宅扶助などの合計金額である「最低生活費」を計算する必要があります。 最低生活費は、以下の式で計算します。 最低生活費=生活扶助+加算額+住宅扶助+教育扶助等+介護扶助+医療扶助+その他の扶助 このうち主なものは、生活扶助と住宅扶助で、他の扶助は該当する場合にプラスされます。 ●級地区分 生活扶助や住宅扶助は、「級地区分」によって金額が異なります。級地区分とは、地域ごとに異なる物価や生活水準の差を、生活保護の基準額に反映させるためのものです。 エリアによって1級地から3級地に分類されており、さらにそれぞれが2つずつに分かれています。東京都23区などの都市部が1級地で、地方にいくほど2級地・3級地になります。 ●生活保護費は最低生活費から収入を引いた金額 最低生活費が計算できたら、そこから給与や公的年金、各手当金などの収入を差し引き、不足する分が生活保護費として支給されます。 たとえば、最低生活費が10万円で4万円の収入がある場合は、差額の6万円が生活保護費として支給されます。