古都の師走彩る春日若宮おん祭889回目、10日から「先参り」
春日大社(奈良市)の摂社・若宮神社の例祭で古都の師走を彩る「春日若宮おん祭」が、15日から18日まで行われる。平安時代に始まった同祭は今年で889回を数える。10~16日には同祭を前に若宮神社に参拝する「先参り」もある。 15日は同市餅飯殿町の大社大宿所で「御湯立(みゆたて)神事」が午後2時半と4時半、6時からの3回行われる。17日は午前0時から「遷幸(せんこう)の儀」があり、若宮神社のご神体が大社参道そばのお旅所の仮殿に移る。毎回建てられる仮殿は黒木の柱に松葉葺(ぶ)きという古来の建築だ。 17日の「お渡り式」は正午に奈良県庁前を出発し、約千人が市街地を進む。午後2時半からは中心行事の「お旅所祭」があり、神事後は若宮の神を楽しませるため仮殿前の芝舞台で田楽や舞楽など古典芸能が約7時間にわたり奉納される。18日は「奉納相撲」と「後宴能」が行われる。 先参りは午前9時半~午後0時半に行われる。ご神体がお旅所に移る前に詣でることで、若宮に対する理解を深めてもらうために令和4年から始まった。ボランティアガイドによる案内で本殿に参拝し、各日先着50人におん祭ゆかりの珍味「意伝坊(いでんぼう)」が配られる。 また、16、17日には大社にある春日荷茶屋で、おん祭の時期に家庭で食べられてきた根菜などの煮物「のっぺい」(700円)が提供される。