「守備なら富田のほうが…とか」男子バレー“わずか12名”熾烈な五輪メンバー競争の舞台ウラ「正直に言うと、きつかった」大塚達宣の決意表明
「12名」に選ばれた大塚が示した覚悟
熟考の末、甲斐に続いて選出されたのが大塚だった。ブラン監督は会見で「富田か大塚か、長い間決められずにいたが、最終的にはオフェンスに秀でた大塚を選んだ」と説明。大塚も日本バレーボール協会を通じて寄せられたコメントで「日本代表としての自覚と責任を持ってオリンピックを戦いたい」と述べた。 そして、もう1つ、自身の果たすべき役割を加えていた。 「チームにいいエネルギーを与えられる選手でありたいと思います」 フィリピンラウンドでのオランダ、フランス、アメリカの3連戦はケガで欠場した高橋藍の代わりに出場。プレーだけでなく、優勢時でも劣勢時でも常に周囲へ声をかけ続ける大塚の姿があった。 「相手に向かっていく姿勢を出すために、まず自分から上げていかないといけない。コートに立つチャンスが与えられた以上、いいエネルギーを与える存在でありたいし、僕が入ることで周りの選手にもいい顔でバレーをしてくれたらいいな、と思うので、どんな時にもファイトして立ち向かう。それが、僕にできることですべきことだと思っています」 世界ランク2位。メダル獲得も周囲が期待して煽り立てるだけでなく、選手たちが「目標」として宣言する。そんな、誰もが胸躍らせる強い日本代表になるために、これまで共に戦って来た一人一人が欠かせぬ存在で、だからこそ、選ばれし12名は国の期待と、この場に立てなかったメンバーの悔しさも背負って、パリ五輪のコートに立つ。 紛れもなく、俺たちは最強だ、と証明するために。
(「バレーボールPRESS」田中夕子 = 文)
【関連記事】
- 【画像】「大塚が小川がラリーが深津が叫んでる…!」TVには映らない“男子バレーの絆”がわかるベンチメンバーの全力応援「いま見ると泣ける」〈他100枚超〉
- 【なぜ同じ時代に…】男子バレー“2人の最強リベロ”に非情な通告「どちらも世界レベル。でも1人しか選べない」小川智大が漏らした山本智大への本音
- 【衝撃実話】“ヤンチャ坊主”西田有志を育てた肝っ玉母ちゃんとマジメな父「タバコ吸いたいなら吸え」悪さしてもバレーボールだけは一生懸命だった
- 【知られざる苦悩】「クソ悔しい」石川祐希も指摘した宮浦健人の“消極的なプレー”…それでも、“背番号4”に期待してしまう理由「パリで目撃した限界突破の筋トレ」
- 【覚醒の原点】「お前、何笑っとんねん」高橋藍を激怒させた相棒セッター…高校時代の高橋藍はとんでもなく“負けず嫌い”だった「目標は常に高いところに」