「60歳までは生きられない」全身火傷の男性が生還後に目の当たりにした“現実” 一度は死を考えた彼が人生を謳歌できるようになるまで
■SNSで事故当時の自分を思い切って投稿 多くの反響に驚き
最近はSNSの投稿もはじめました。生きた証として日常をSNSに残す意味もありますが、何より、“障害を持っていたり、不自由な身体でも前向きに頑張っている人間がいるのなら、私ももうちょっとやる気を持ってみようかな”という気持ちに繋がってほしいというのが1番の思いです。 私の事故当時の様子を投稿した動画がTikTokで360万回以上再生されるなどの反響は、これまで火傷で「気持ち悪い」と避けられてきた自分にとっては驚きです。 私の投稿を見てくださった方々に「頑張る勇気を持てた」「実は自殺を今日考えていたけど濱安さんの話を知って死ぬことをやめました」のお言葉やメッセージをもらえていることは何より嬉しく思っています。辛い過去を思い出して投稿することは、勇気がいることで、当時の映像を見て思い出し泣きながら、投稿したこともありました。しかしながら、誰かにとっての希望の欠片や生きる勇気に繋がっている事実は、私にとって言葉にならないほどの幸せです。 私にとって生きる意味は、動かせる身体がある限り、どんなことにも悔いなく挑戦すること。ただ、漫然と日々を過ごすことは、生きていないのと同じように思っています。 そのためには人と比べることをなくした方が幸せだと思います。こちらは筑波大の名誉教授をされていた方のお言葉ですが、どんなにすごいと思う人もそうでないと思う人も99.5%の遺伝子暗号では同じになっているそうです。人間の設計図を書かれた時点で特定の1人だけに差をつけるようなことはあり得ないので、そのたったの0.5%の違いを比べて「あの人は○○だから良い」とか「こちらは△△だからダメ」とか思い込まないでご自身にとって幸せを追求して、最後まで生き抜いて欲しいと思っています。 人生ですから、辛いことや悲しいことも必ず起こりますが、どうか気持ちが落ち込むことだけに時間を費やさないでほしい。出来るだけ幸せを感じて生きて欲しいと願っています。 PROFILE/濱安 高信(はまやす たかのぶ) 二十歳の時に重度の火傷を追い、余命0日の宣告をうけるも、 600名ほどの輸血により奇跡的に助かる。車椅子から立ち上がれないと医師から告げられたが、リハビリにより装具を着けて歩けるように。書籍『余命1日の宣告』(パブフル)著者。高等学校卒業程度認定試験合格を経て、現在は慶應義塾大学経済学部通信部在学。 命の大切さを伝える講演活動も行っている