老後資金づくりの王道、積み立てで行うべきは“貯蓄”ではなく、“投資”
老後資産を作るためにはできるだけ若いうちから少しずつでもいいので「積み立て」をしていくことが大切です。ところが「積み立て」と聞くとそのあとに続くのは「貯蓄」という言葉がすぐに想像されます。ところが「積み立て」に最もふさわしいのは“貯蓄”ではなくて“投資”なのです。その理由をこれからお話ししましょう。
あまり聞いたことがない“積み立て投資”とは何か
なぜ「積み立て」と「投資」は相性がいいのでしょうか? その理由は大きくわけて二つあります。一つ目は、リスクの分散です。 一般的にリスクという言葉を聞くと「危険」とか「損をする」というイメージが思い浮かびます。これはべつに間違っていませんが、投資する時に使う「リスク」という言葉の定義は「予想通りにならないこと」、「変動の幅」を指します。投資というのは儲かるか損するか分からない、結果が不確実なものです。投資をするにあたって、儲かったり損したりするブレ幅が大きければ“リスクが高い”、小さければ“リスクが低い”と表現します。 したがって投資の世界で「リスクを低下させる」というのは、投資した結果が極端に良かったり悪かったりすることのないようにする、すなわち投資による成果を平準化させるということを言います。ではどうすれば“投資による成果=リスクを低下させる”ことができるのでしょうか?それは「集中して投資をしない」ことです。俗に言う分散投資です。 ところが分散投資の“分散”には二つの意味があります。一つは「投資対象の分散」そしてもう一つは「投資時期の分散」です。通常よく言われる分散投資は「投資対象の分散」のことです。一つのものに集中して投資するのではなく、値動きの性質がそれぞれ異なるものを組み合わせることによって価格の動きが平準化されるということです。例えば円高になれば上がる性質の株と円安になれば下がる株、これらを組み合わせて両方持つことで将来為替がどちらの方向に動いたとして極端に儲かったり損したりすることはなく、成果は安定します。これが投資対象の分散です。