国文化財に旧紫山塾主屋 文化審答申 土浦、近代和風の住宅 茨城
国の文化審議会(島谷弘幸会長)は22日、国登録有形文化財として、茨城県土浦市真鍋の旧紫山塾主屋を含む計129件の建造物を新たに登録するよう、阿部俊子文部科学相に答申した。茨城県の国登録有形文化財(建造物)は、今回を含め計295件となる見通し。 旧紫山塾主屋は、昭和期の国家主義者として知られる本間憲一郎氏が1928年に、水戸学を教える私塾兼住宅として建てられた。土浦市教育委員会によると、建物は、4方向に傾斜する屋根を持つ寄せ棟造りの木造2階建て。床面積は1階部分が132平方メートル、2階が30平方メートル。うち、登録対象となったのが玄関などを含む1階部分の92平方メートルと2階の全て。76年に増築された1階部分の一部は登録対象外となった。 入り母屋造りの玄関が東面にあり、上空から見ると全体が直角となっている。2階は床と違い棚をしつらえた続き間座敷で、床柱は出節丸太とするなど趣向を凝らした近代和風の住宅となっている。現在も本間氏の子孫が所有し、実際に住んでいるという。 全国の国登録有形文化財(建造物)は129件が追加され、計1万4432件となる見込み。
茨城新聞社