「家事は夫婦で相談して分担したい」男女の半数以上が回答も実際は?
一昔前の日本では、家事・育児は「女性がするもの」という考えが一般的でしたが、女性の社会進出が進んだことで、夫婦で分担して家事・育児を行う世帯が増えてきています。 【調査結果をグラフでみる】夫婦における「家事・育児の分担」の調査結果「家事・育児は誰がすべき?」 実際に、国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、「夫は仕事、妻は家庭」という考えを支持する人が男性・女性ともに減少傾向にあります。 このように現代では「夫は仕事、妻は家庭」という価値観が薄れ、性別に関係なく家庭を支えるスタイルが主流になりつつありますが、具体的にどのくらいの割合の家事・育児を男性・女性が行っているのでしょうか。 本記事では、実際の調査データをもとに、夫婦における「家事・育児の分担」について紹介していきます。 ご自身の家庭と比較して、家事・育児の分担割合を改めて見直してみてはいかがでしょうか。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
家事・育児は誰がする?半数以上が「夫婦で相談して分担するもの」と回答
株式会社ネクストレベルは家庭内での家事や育児の分担はどうなっているのか、また分担に満足しているのかにおける調査を実施しています。 調査概要は下記のとおりです。 ・調査方法:インターネットアンケート ・調査対象:結婚経験のある男女 ・アンケート母数:男性194名・女性201名【合計395名】 ・実施日:2023年9月22日~10月9日 ・調査実施主体:縁結び大学 ・調査会社:株式会社ネクストレベル ・リリース公開日:2023年11月2日 上記調査の結果、男性の54.4%、女性64.1%が「家事や育児は夫婦で相談して分担するべき」と回答しました。 男女ともに半数以上が「夫婦で相談して分担するもの」と回答しており、現代の多くの人が性別で役割を分担する認識が薄れているのがわかります。 なお、男性の回答として次いで多かったのが、「男女で半分ずつ分担」、「女性がやるべき」が続きました。 女性の回答として次いで多かったのは、男性と逆になり、「女性がやるべき」、「男女で半分ずつ分担」が続く結果になりました。 ●年代によって異なる? 50歳代男性の3割は「家事・育児は女性がやるべき」 前章では、男女の半数以上が「家事・育児は夫婦で相談して分担するもの」という認識をしていることが分かりましたが、年代によっては認識に差が生じています。 株式会社ネクストレベルの上記調査を年代・性別ごとに集計した結果では、年代の高い男性ほど「家事や育児は女性がすべき」と考える人が多い傾向にありました。 50歳代が働き盛りである20年~30年前までは、共働き世帯が少なく専業主婦世帯のほうが多かったことから「家事・育児は女性が行うもの」という考え方が根強くあるのだとうかがえます。 実際に厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」の調査では、約30年前の世帯において共働き世帯よりも専業主婦世帯のほうが多い傾向にあります。 現代では共働き世帯が急激に増加しており、「共働き世帯」のほうが一般的になりつつあります。 2022年には、専業主婦世帯は「539万世帯」であるのに対し、共働き世帯は「1262万世帯」となりました。 上記のことから、共働き世帯が主流になった現代では「夫は仕事、妻は家庭」という考えが廃れつつあり、性別に関係なく家事・育児を行う認識が強まっていると考えられます。