市立柏が市立銚子に完勝 妥協を許さない市立柏・尾張堯映監督の熱量
第103回全国高校サッカー選手権千葉予選2次トーナメントが8日、千葉県内で行われた。Mブロックの市立柏は16-0で市立銚子に圧勝し、決勝トーナメントに駒を進めた。 【フォトギャラリー】市立柏vs市立銚子 市立柏は前半5分、MF14永井祥太(1年)のゴールを皮切りに、16分にはMF18岩﨑翔親(3年)が追加点。さらに20、27、38分にFW11高井蹴斗(3年)が3得点をあげ、ハットトリックを達成。アディショナルタイムにはMF10 鈴木海晴(3年)が立て続けに2点をあげ、前半を8-0で折り返した。 後半に入っても市立柏の猛攻は続き、開始直後1分にMF8三浦拓聖(3年)が決めると、8分、ペナルティエリア内で倒され、PKの判定。これを後半から投入されたMF23坂西希世斗(2年)が冷静に決め、追加点。終わってみれば、前後半ともに8得点ずつ、16点のゴールラッシュとなった。 得点者はハットトリックのFW11高井をはじめ、2点はMF8三浦、MF9鈴木蓮也(3年)、MF10鈴木(海)、MF14永井、MF23坂西の5選手。1点がMF15井上飛悠(3年)、MF18岩﨑、MF20土屋琢磨(3年)の3選手。個人技あり、連係あり、PKあり。9選手で16得点。 ここまで取るとさぞ攻撃的なチームかと思いきや、「あくまで守備がベースのチーム」と市立柏・尾張堯映監督。「今後、ベスト8、ベスト4と勝ち上がるなか、相手にボールを持たせながら、どうやって奪うのか。この先、戦う上での前提であることは、選手も意識しています。今回はボールを保持の局面が多くありましたが、相手がどこだろうと前進していくことが大事です」と強調した。 そのなか、気が付くのは尾張監督の指示の声。 例えば、前半、オフサイドが多かったことについて、ハーフタイムでは受け手と出し手の関係を指摘し「もっと精度をあげていこう」と言えば、「練習でやってきたことをもっと表現しよう」「何度も何度も攻撃を繰り返そう」「もっとハードワークを」と点差と一切関係なくやるべきことを徹底させる指示を最後まで緩めず続けた。 その真意を尾張監督は「試合を見に来てくださった方へ、応援してくれる方へ、そして部員が多い分、(選手に)ピッチに立つ責任がないと示しがつきません。相手がどこだろうと向かっていく、この姿勢はやめませんし、変えません」と指揮官の熱量が伝わる。 決勝トーナメント進出を決めた市立柏だが、いわばスタートラインに立ったばかりといえる。 「市船さん(市立船橋)、流経さん(流経大柏)までたどり着いて真っ向勝負がしたい、これが僕らのモチベーションです」と指揮官は熱く語った。 (文・写真=佐藤亮太)