『遠い空の向こうに』ロケット打ち上げに情熱を注ぐ、青春映画の佳作(前編)
あらすじ②
ホーマーは、ヴァンガード計画(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E8%A8%88%E7%94%BB)失敗のニュースから、フォン・ブラウン博士(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3)の名前を知る。そして博士に手紙を書き、「自分の住んでいる場所は炭鉱の町で、誰もが上空よりも地下に興味があります。そのためロケットの研究をしようにも、資料が手に入りません」と綴った。 ホーマーは、クエンティンにロケット開発の協力を依頼する。ロイは、「クエンティンと仲良くするつもりなら縁を切るぞ」と脅すが、彼は無視した。するとクエンティンは、図書室から燃料の成分や機体の構造を解説した、参考資料を借り出してくれる。そして彼を加えた4人は、ホーマーの家の地下室で本格的なロケット開発を始めた。エルシーは、ホーマーが勝手にキッチン用品を持ち出したことを咎めようとするも、彼らの真剣な姿を見てそっと見守る。 ロケットの形がある程度できてきた段階で、ノズルをどうするかで作業が止まってしまった。そこで、平ワッシャーを鉄パイプに溶接することとなったが、やり方も不明で機械もない。そこで、炭鉱会社の技術者であるバイコフスキー(エリヤ・バスキン)に相談に行く。彼は、「会社に見つかるとクビにされる」と言いつつも、時間外に作ってくれた。 学校でホーマーが、完成したロケットを他のメンバーに見せていると、ターナー校長(クリス・エリス)に見つかり没収されそうになる。するとライリー先生が助けに入り、「サイエンス・フェアに出品するために、私がやらせているんです」とウソをついてかばう。 校長が去った後、クエンティンは「サイエンス・フェアの審査員はウェルチ(*3)の人間だから、ウェルチ高校が優勝する出来レースだよ」と皮肉を言う。しかしライリー先生は、「サイエンス・フェアで優勝すれば、奨学金がもらえるわよ」と発破を掛けて去って行く。後を追い掛けたホーマーが「奨学金がもらえるなら、僕は出品したい」と言うと、「科学には数学が必要よ。あなたは数学が苦手だから、ちゃんと勉強しないと前へは進めないわよ」とアドバイスしてくれる。 *3 ウェストバージニア州マクドウェル郡の郡庁所在地。ちなみに、ここで言っているサイエンス・フェアは、郡大会のことであって、劇中では省略されている。