東野圭吾 ガリレオシリーズ第10弾『透明な螺旋』が待望の文庫化で初登場1位 上橋菜穂子「香君」も文庫版で刊行開始[文庫ベストセラー]
9月10日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『透明な螺旋』が獲得した。 第2位は『探花―隠蔽捜査9―』。第3位は『勘定侍 柳生真剣勝負〈八〉 愚王』となった。 1位に初登場の『透明な螺旋』は東野圭吾さんのミステリシリーズ「ガリレオ」の第10弾。2021年9月に単行本で刊行され、待望の文庫化。天才物理学者・湯川学を主人公にした同シリーズ。今作ではこれまで描かれなかった湯川のプライベートが明らかになる。文庫版には短編「重命る(かさなる)」が収録されている。 4位以下で注目は5位と6位に初登場の『香君 西から来た少女』1・2。上橋菜穂子さんが2022年に発表したファンタジー小説。伝承や神話、生き物の生態や政治システムなど、上橋さんならではの精緻に作り込まれたファンタジー世界を舞台に、「香りの声」を聞くことができる少女が国を救うために奮闘する姿が描かれる。単行本では『香君 上 西から来た少女』と『香君 下 遥かな道』(いずれも文藝春秋)が刊行されており、文庫版は上を1・2とし、下の「遥かな道」は3・4となり11月6日に発売予定。 フリーアナウンサー・ライターの北村浩子さんは《ミステリーや冒険小説の味わいもあり、長さがあるのが嬉しくなってしまう。そしてなんと言っても――これは上橋作品を読むときいつも感じることだけれど――政治や経済のシステム、地形や土地柄といった、物語世界の仕組みが実に緻密に考えられ、創り上げられていることに感嘆せずにはいられない》と紹介し、《物語を生きる人物たちの幸福を祈りたくなる温かい心を呼び覚ましてくれる力、それが上橋作品には必ずある》と評している。 1位『透明な螺旋』東野圭吾[著](文藝春秋) 誰も知らなかった湯川(ガリレオ)の秘密 南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。巻末に短篇「重命る(かさなる)」を特別収録。(文藝春秋ウェブサイトより)