中日「立浪政権」は3年で幕 「喜んで二軍に行きます」と主力選手が不信感を募らせた最大の理由
13年間で5人 ハイペースで監督交代が続くドラゴンズ
二軍降格を通達された主力選手が「喜んで二軍に行きます」と関係者に漏らしていたという話もある。「いちいち言わなくても分かるだろう」という典型的な古い考え方に、選手が不信感を募らせていった。 もちろん低迷の理由が全て立浪監督にあるというわけではない。特に、コミュニケーションについては、他の首脳陣やフロントにも問題があったようだ。 「立浪監督に対して意見できないというのは選手だけでなく、コーチやフロントも同様だったと思います。特に編成の面でも立浪監督の意見が通るようになり、ドラフトでの指名もトレードも監督主導のものが多かったと聞きます。以前であれば、スカウト部長を務めていた中田宗男さんがはっきりとスカウト部の意見を伝えて、時には衝突することもありましたが、今はそういう人もいません。知名度と人気のある立浪監督をせっかく連れてきたのだから、監督に全て任せておいた方が無難だろうという雰囲気は少なからずあったのではいでしょうか」(前出の球団関係者) 知名度と人気という言葉が出たが、今年の前半戦の入場者数を見ると、前年比で11.1%増とセ・リーグ6球団で最も観客動員は増えている。球団幹部からも「立浪監督の人気は凄い」との声も出ていたという。ただ、「強いけど人気がない」と言われた落合博満監督時代と比べると、決して大幅に増えているわけではなく、監督の知名度と人気だけでは超えられない壁があることは確かだ。 後任は井上一樹二軍監督が有力視されており、二軍で結果を残した彼の手腕に対する期待は大きい。ただ、黄金時代を築いた落合監督以降、13年間で5人の監督が就任しながら、成績が上向いてこない点を考えても、監督を変えれば、全てが解決するというわけではない。この3年間の取り組みを改めて振り返って課題を洗い出して、それをどう潰していくのか。球団全体で改善していかなければ、「強い中日の復活」は難しいだろう。