BMSG POSSEが語る、5人のアーティストが高め合う圧倒的肯定感
POSSEを入口にしてBMSGを知ってもらう
―BMSG POSSEの発足理由としては「海外アーティストとコラボしやすいように」「海外アーティストが日本に入ってくるときに入口になれるように」といった意図もあって、それが実際に形になっているこのアルバムだとも言えると思います。 SKY-HI:海外アーティストが「日本で仕事したいな」「日本人と何かやれないかな」ってふわっと思ったときに、「あ、それだったらここがいいんじゃない?」みたいになればいいなと。昔からある会社だと、海の向こうでコラボレーションすることが色々難しくて。これはちょっと皮肉ですけど、世界配信されているのに、いまだに「海外進出」みたいな言葉が使われる時代だったりするじゃないですか。定期的に、直接だったりエージェントを挟んだりして、「何かやれない?」「誰かいない?」みたいな連絡が来るんですけど、BMSG POSSEにはキャラ濃いアーティストがいっぱいいるので可能性がある。 ―どんなアーティストから声がかかっても、「じゃあこの人とコラボしますか?」って言える。出せるカードが多い状態ですよね。 SKY-HI:結局、人は人の元に集うので。この前リタ・オラがBMSGのビルに来て、TikTokだけ撮って帰るっていう。何の仕事もしてないんですよ。本当に遊びに来ただけ。 REIKO:めちゃくちゃ面白かった(笑)。 Aile The Shota:ヤバすぎでしょ。MANATO(BE:FIRST)から「明日リタ・オラ来るよ」って言われて、最初嘘ついてるかと思ったら本当だった(笑)。 ―え、すごい! ここに遊びにきたら楽しそうって、じわじわと伝わっているということですよね。それが国内だけでなく、海外にまで。 SKY-HI:誰のことも拒絶しないから入りやすいじゃないですかね。エントランスフリーなので(笑)。BE:FIRSTもそうだし、来年になったらNo No Girlsとかも出てくるけど、最終的には「どこを見てもBMSGがいるな」みたいにならないといけない気がするんですよね。 Aile The Shota:『TOKYOISM Vol.1』はPOSSEを入口にしてBMSGを知ってもらう盤にもなっている気がする。SALUさん、(JP THE)WAVYさん、海外勢含め、客演から入ってくる人もいると思うから、これまでとはまた違うBMSGから外へのアプローチな気がしますよね。 REIKO:国内外に向けて「遊び相手いますよ」「僕らが一緒に遊びますから」という提示もある気がする。 SKY-HI:新曲作る? 「遊びませんか?」。 Aile The Shota:いやそれ俺のやつ!(Aile The Shotaの代表曲「踊りませんか?」) ―(笑)。海外勢とのコラボでいうと、Novel Coreさん、日髙さん、CHANGMOとの「ZOOM」については以前Rolling Stone Japan WEBで話してもらっているので、今回はREIKOさん、日髙さんとNo Romeの「Tokyo Night Dreaming」について聞ければと思うんですけど。これ、めちゃくちゃいい曲で。 SKY-HI:「Tokyo Night Dreaming」、いい曲だよね! Aile The Shota:めっちゃいい。 REIKO:最初はアルバムに入れる曲を書こうという感覚ではなくて。日髙さんから「No Romeが東京に来るんだよ。遊びに行かない?」みたいな、本当にラフな感じで。 SKY-HI:REIKOはタガログ語をしゃべれる唯一の友達なので(笑)。REIKOがあの日空いてなかったら作れなかった。スタートは、インスタでNo Romeをフォローしてて、フォローを返してくれたのかな。それでラジオにも出てもらったりして。DMでナンパをする関係値(笑)。 Aile The Shota:令和ですね。 SKY-HI:「ビルに来たい人はDMください」って、昨日もラジオで言ったしね。 REIKO:めちゃくちゃ2020’sって感じ。ただ、すごく「ラフ」ではあるけど「軽い」わけではない。自由だけど意義のある出会いでした。No Romeはフィリピン出身で、でもイギリスで活動していて、REIKOというフィリピンミックスで東京にいる新人アーティストとやるというのは、「え、何これ?」みたいになると思うんです。「東京ってこんなに面白いんだよ」ということを世界へ発信したいときに、ぴったりなコラボレーションだなとすごく思います。 SKY-HI:REIKOに紹介したかったんですよね。ルーツがフィリピンで、活動してるのはイギリスで、母国以外で大きな成果を得てる人だから。しかもイギリスも島国だし。 REIKO:僕らの遊んだクリエーションの日記みたいなものが、こうやって世の中に刻まれていくことがすごく面白いなと思いました。もっともっと音楽で遊びたいなと思うきっかけにもなりました。それは、BMSG POSSEのみんなといればいるほど感じることでもあるんですけど。もっと国境を越えて「遊ぶ」という感覚で音楽をしたいなと思うようになった経験でした。 ―「Tokyo Night Dreaming」は、海外から見たステレオタイプ的な東京の切り取り方ではなく、街の奥にある深い部分とか、そこにいる人たちの孤独とかを描いているのがまたいいなと思いました。 SKY-HI:東京ってこんなイメージだったので。No Romeが日本に着いて1日過ごして、「東京の夜を見ながら作ったよ」というトラックの叩きがあって、そこから作っていった感じでした。 REIKO:本当にラフでしたよね。 Aile The Shota:アルバムの成り立ちもそんな感じ。気づいたらできあがってたくらい。 ―「Tokyo Night Dreaming」に関して、他のみなさんの印象は? Aile The Shota:「え、呼んでよ!」。 ―(笑)。Shotaさん、edhiiiさんとかいい感じに乗りこなせそうなトラックだなと思いました。 SKY-HI:edhiiiっぽいよね、これ。トラック聴いてからスタジオに入ったわけではなくて。事前に打ち合わせして、トラックを送ってもらって、「これだったらedhiiiが合うじゃん」とか、そういうことが一切なく、ただ来てもらってやったから。 ―「Girlfriend」のリミックスにJP THE WAVYさんとSALUさんを招いたことは、どういった想いからですか? BMSG POSSEというクルーができて、12年前からあった「Bullmoose」の名を冠したレーベルからのリリースに、昔からの仲間を呼ぶという。 SKY-HI:エモいんですけど、ナチュラルにやりたいところではあったので。それなりに長いキャリアをやってきた中で、今さら自分のソロでエモい感じで二人を呼んでもストーリーが伝わりづらいというか。だからラフな感じで呼びたいんだけどタイミングがムズイなと思っていた中で、POSSEのみんながいるおかげでラフにできるなと。JP THE WAVYはダンサー出身でShotaと師匠が同じで、SALUのカムバックのシングル(「PICTURE PERFECT」)にはCoreを呼んでくれたし、そういった縁もあって。SALUが「リユニオン」って言ってたけど。 Novel Core:「リユニオン」、やばいっすね。 Aile The Shota:「Cho Wavy De Gomenne feat. SALU and SKY-HI」以来ですか? SKY-HI:そう。最近、気がついたら出してない曲が溜まっちゃったんだけど、このまま行くと、忙しくて二人とやらないうちに杖ついて歩く感じになっちゃいそうだったので(笑)。POSSEでリミックスを作りたいねってなって、いろんな名前が挙がった中で、最初に出たSALUとJP THE WAVYを呼ぶのが一番いいのでは、ってなって。 Aile The Shota:けっこう会議しましたもんね。 SKY-HI:「Girlfrirend」のテーマとか時代感も、ずっとやってきている人じゃないとなというのがあったので。頭の中で二人を想像したらしっくりきたので「よかったらやってくれないかな」って言ったら、送られてきたものが想像を超えてたから面白かったですね。想像以上にJP THE WAVYがJP THE WAVYで、想像以上にSALUがSALUだった。 edhiii boi:まじでそう。WAVYさんの曲、SALUさんの曲になってたもん。授業中にブチ上がった。 Aile The Shota:ちゃんと授業受けろ! edhiii boi:平日の11時くらいにリンクが送られてきて、聴きたいなと思って……(こっそり聴くふりをする)。