昭和100年へ キン肉マン原作担当・嶋田隆司氏、大見え切って「友情パワー!」と言えるのは昔からやり続けている僕らの特権 時がたつにつれて変わっていくところもあるけど絶対に変わらない芯も必ずある
★「象徴作品のように言われるんですが実は僕ら、そんな言葉知らなかった」
「週刊少年ジャンプ」が発行部数の大躍進を果たした昭和後期の日本社会をもほうふつさせる〝友情・努力・勝利〟というスローガンはまさに、同時期にヒットした『キン肉マン』に特にピッタリ当てはまるもののようにも思えるが、嶋田氏によるとそれは偶然の一致だったという。
「『キン肉マン』って〝友情・努力・勝利〟の象徴作品のようによく言われるんですけど、実は僕らは、そんな言葉すら知らなかったんです。でもある日、当時3代目編集長だった西村繁男さんに、それがジャンプ創刊時に読者の子供たちに取った〝好きな言葉〟アンケートの上位3つだったという話を聞かされて、ゆでちゃんたちの『キン肉マン』にはそれが全部入っているなぁ~って。だからそういう作品を描けと誰かに言われたことは一度もないんですけど、その話を聞いて以来、そこは自主的に意識するようになりましたね。僕らとしては、今もその言葉は大事に思ってやっています」
■嶋田隆司(しまだ・たかし)
昭和35(1960)年10月28日生まれ、64歳。大阪府出身。小学校からの同級生である作画担当の中井義則氏とともに漫画家コンビ・ゆでたまごの原作担当として活動。代表作『キン肉マン』は現在も「週刊プレイボーイ」(集英社)および公式サイト「週プレNEWS」にて週刊連載中。毎週月曜日発売/更新。