昭和100年へ キン肉マン原作担当・嶋田隆司氏、大見え切って「友情パワー!」と言えるのは昔からやり続けている僕らの特権 時がたつにつれて変わっていくところもあるけど絶対に変わらない芯も必ずある
――そこは来年〝昭和100年〟から先も変わらない?
嶋田「特に〝友情〟なんて僕ら自身、本当に大事なことやと思ってずっとやっていますし、たぶん子供の頃から大人になった今も『キン肉マン』が好きやと言ってくれる人たちは特に、そこの思いが僕らと同じく変わらないから、今も好きでいてくれるんだと思うんです。時がたつにつれて人は考え方やら性質やら変わっていくところも間違いなくたくさんありますけど、絶対に変わらない芯というのも必ずあって、長年のファンとはそこは共有できている気がします。『キン肉マン』を読むと子供の頃の気持ちに戻れる、と言ってくれる大人のファンもたくさんいて、それを聞くたび僕らはうれしいんですけど、それはそうやって自分の中で変わらない大事なものを、僕らの漫画を読むことで再確認してくれているのかなと」
――昭和、平成、令和と時代が移っても人には変わらないものがある?
嶋田「そう思います。もちろん古参のファンだけでなく最近アニメで知ってくれた新しい人たちにも、そこに共感して元気を出してもらえるような漫画をこれからも描いていきたいです」
★「一作ごとにパワーMAXで仕上げ、今もそのスタイルを継続されている」
漫画家にとって担当編集者とは一般的に、その制作過程を最も身近なところから見守り、時にはアドバイスも送る、選手とセコンドのような間柄ともいえる存在。「週刊少年ジャンプ」連載時代の2代目担当編集者・松井栄元氏は、そんな立場でゆでたまご先生をサポートしてきたひとりとして、作品についてこう語る。「10~20代の新人当時からゆでたまご先生のおふたりは毎週一作ごとに制作パワーMAXで原稿を仕上げていただける作家さんでした。私が知る当時から40年以上経過した今もそのスタイルを継続されていることに感服します。昭和にヒットした当時は単行本増刷の際に1回ごとの増刷部数がどんどん増えていくだけでなく、毎月1回だった増刷回数が月に何度も増刷されるようになったのは驚異でしたが、ここへきて改めてブームが沸騰していることにはただただ驚きしかありません」