【大学野球】立大・森本光紀がリーグ戦初登板初勝利 「任された場面で、ゼロに抑えていきたい」
悪い流れを断ち切った投球
【10月12日】東京六大学リーグ戦第5週 立大5-4明大(立大1勝) 悪い流れを断ち切ったのは、リーグ戦初登板の2年生左腕・森本光紀(福岡大大濠高)だった。0対3とリードされた2回表一死二塁から先発・小畠一心(3年・智弁学園高)を救援。先輩右腕エースの言葉を思い出した。 「緊張して、引いてしまったら、そこで負けてしまう。気持ち。根性を入れました!!」 先頭打者を二ゴロで二死三塁。迎えるは前日、広島がドラフト1位指名を公言した三番・宗山塁(4年・広陵高)だ。それでも、森本は落ち着いていた。「フォアボールOK、と。ビビっていたというわけではありません」。想定内の四球で二死一、三塁。四番・杉崎成(4年・東海大菅生高)を二飛に抑えた。 ピンチの後にチャンスあり。明大の先発・毛利海大(3年・福岡大大濠高)は今季、先発2試合で2勝を挙げ、12回無失点に抑えていたが、立大打線が攻略した。黄之芃(4年・興南高)のソロと、齋藤大智(4年・東北高)の満塁弾で逆転した。齋藤は言う。 「その前の守備で、初登板の森本が緊張していた中で、切り抜けてくれた。森本のためにも、チームのためにも、という思いで打席に立ちました」 森本は4回まで投げ、2回2/3を無失点。立大は5投手の継投で、1点差を逃げ切った。森本はリーグ戦初登板初勝利。高校の先輩が明大の先発投手で、感慨深いものがあった。毛利がエースだった2021年春のセンバツで、福岡大大濠高は8強進出。背番号11を着けた2年生・森本は3試合で出番がなかった。 「毛利さんは高校時代から尊敬している先輩で、秋のリーグ戦でも好投を続けているのを見てきました。勉強になり、刺激になっています。ただ、今日は立教のためにゼロに抑えることだけを考えていました」 1学年上の毛利に、成長した姿を見せられた。 「1年の時は左肩のケガで投げられず、マウンドに立てる喜びを噛みしめています。4年生と一緒に戦うことができる、最後のリーグ戦。任された場面で、ゼロに抑えていきたい」 立大・木村泰雄監督は「どこかで投げさせたいと思っていました。ビハインドのところで経験させて、その中でも良いボールを投げていた。初登板で緊張するかと思いましたが、そんな素振りも見られず、メンタルが強いのかなと思いました」と、背番号13を称えた。 ストレートの最速は145キロ。変化球はカーブ、スライダーを操る184センチ左腕の出番は今後、増えてくるはずだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール