米SECに対するコンセンシスの訴訟、テキサス州裁判所が棄却へ
コンセンシスの訴えが却下される
米証券取引委員会(SEC)及びSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を含む5人の委員に対して米コンセンシス(Consensys)が起こした訴訟が、テキサス州連邦判事によって却下された。コンセンシスが9月20日Xにて報告した。 コンセンシスは今年4月、裁判所に対し、イーサリアム(ETH)が証券でないことや、コンセンシスによるイーサリアムの販売は証券販売にあたらないことを宣言するよう求め、SECがメタマスク(MetaMask)ウォレットソフトウェアの要素について強制措置を取ることへの阻止を求めていた。 またコンセンシスは、SECがイーサリアムの調査を開始し、証券として規制する計画だと主張。SECがメタマスクによる暗号資産(仮想通貨)のスワップおよびステーキングサービスに関して「ウェルズ通知」を発したと指摘していた。 その後7月、SECはメタマスクスワップサービスを通じてブローカーとして登録しなかったとして、コンセンシスを提訴。なおこの訴訟はニューヨーク東部地区連邦地方裁判所に提出されている。 9月19日付けの命令文でテキサス州北部地区連邦地方裁判所フォートワース支部のリード・オコーナー(Reed O’Connor)判事は「執行措置は最終的な機関の措置を構成するものではない」としてコンセンシスの主張を退けた。 また「ウェルズ通知」は、「SECの意思決定プロセスの最終決定を意味するものではなく、原告の法的権利または義務を確立するものでもない」とし、コンセンシスに「法的効力を課すものでもない」と述べている。 オコーナー判事はコンセンシスの訴えを「訴えの根拠となる事案または論争が欠如している」とし、コンセンシスの申し立てを却下している。 コンセンシスは20日のXにて「残念ながら、テキサス州裁判所は本日、SECに対する当社の主張の正当性を検討することなく、手続き上の理由で当社の訴えを却下した」と報告。引き続き米国におけるブロックチェーン開発者の権利のために闘い続けると結んでいる。 なお「ウェルズ通知」とは、SECが企業・個人に対して、法的措置を講じる予定であることを通達する公式文書だ。
あたらしい経済編集部