海外からの参加者増、女性の参加率もアップ…世界からも注目される「富士ヒル」舞台裏を野島裕史が振り返る
◆優勝は今後期待の逸材! 一方で参加者たちには変化が…
野島:そしてレースですが、今年の「富士ヒル」を制したのは群馬グリフィンの金子宗平選手。タイムは56分42秒、凄まじいですね。しかも2連覇。これは大会史上2人目の快挙ですが、この結果についてはどうご覧になっていますか? 山本:彼は“逸材”と言ってもいいと思います。先日おこなわれた全日本選手権でもタイムトライアルで優勝、ロードレースの部で2位という素晴らしい成績を収めています。 野島:並々ならぬ努力をなさっていると思うんですけど、これは相当の逸材だと。ぜひ来年、再来年も出てほしいですね。 山本:そうですね。手の届かないところにいってしまいましたけど、また「富士ヒル」に出ていただけたら嬉しいですね。 野島:金子選手には、ぜひ3連覇を達成していただきたいと思います。その他、結果データから見えてくる今年の大会の特徴はありましたか? 山本:SNSなどを拝見していると、皆さん目標が具体的で、どのフィニッシャーリング(完走したときにタイムに応じてもらえるリング)を目指すかしっかりフォーカスされているんですよね。 例えば、主催者選抜クラスだと優勝を狙う一方で60分切りのプラチナリングを狙いましょうとか。そうやって(目標に応じて)コミュニティを形成して、みんなで力を集約して走る形に変わっているなと思いました。 野島:同じような(目標)タイムの方々が集まってコミュニティができているということですね。 山本:そうなんです。そこでみんな結託して(目標)タイムを目指す。なので、優勝者がひとりではないような雰囲気が出ていて、これはリングがあってよかったなと思いました。
◆レース以外も楽しみが盛りだくさん、野島も大満足
野島:ヤマケンさん的に大会自体は何事もなく進みましたか? 山本:ひとつあるとしたら、これは嬉しい誤算なんですけど、今回参加賞が足りないという事態が起きてしまって。 野島:想定以上に参加者が多かったと。 山本:そうですね。嬉しいけど申し訳ないというか。当然、(参加賞を)お渡しできなかった方には後日用意しました。 野島:嬉しいハプニングという感じですね。あとは、今大会で新たに得た気づき、学びはありましたか? 山本:いつも反省ばかりなんですけど、参加者の皆さんの期待の高さがあるので、それに対してどう応えていくか、そればかり日々考えている状況ですね。 野島:レース前日におこなわれていたサイクルEXPOもここ最近で最も出店数が多く、僕的には大満足でした。 山本:出展者の皆さんのご協力あっての盛り上がりというか、「富士ヒル」を盛り上げていただくために、そしてお客さまのために開催していただいて。あれは本当に良かったですね。 野島:僕はあそこで結構買い物をして散財しちゃいました(笑)。でも、最近は便利ですよね。ああいったところでも携帯で支払いができたりして。すごく便利になったなと思っていろいろ買ってしまいました。 山本:自転車業界に貢献していただいて本当にありがとうございます。 野島:本当に楽しく買い物をさせていただきましたが、ぶっちゃけお金さえあれば手ぶらで会場に来ても「富士ヒル」には参加できますよね。 山本:そうですね。自転車も買える環境があるので。 野島:サイクルジャージからシューズまで全部揃えられる店舗数とバラエティの豊富さ。補給食も買えますからね。だから逆に忘れ物が怖くないと思いました。何か足りないものがあっても(買えばいいので)大丈夫ですし。さらには、(自転車の)メンテナンスをしてくださるところもありますし。そういった意味では、安心感のある大会だなと改めて思いました。 今回は20回目という節目の大会だったわけですが、来年21回目に向けての意気込み、展望はありますでしょうか? 山本:意気込みとしては、やはり雨を降らさないようにしたいですね(笑)。 野島:それは天のみぞ知る(笑)。ヤマケンさんのパワーだけでは難しいですけど、やっぱり天気が一番気になりますよね。これはもう参加者全員で晴れパワーを送る、てるてる坊主を作るなどしないとですね。あと、個人的にはレース前日におこなわれたパレード走行も楽しそうだなと思いました。 山本:それは20回大会記念としておこなったんですけど、思いのほか盛り上がりましたね。地元の方にも盛り上げていただいて、楽しかったという声も多かったので、僕も行けば良かったと思いました。 野島:すごく盛り上がっていましたよ! なので、希望としては来年もぜひ検討していただきたいですね。できれば僕も参加したいので(笑)。 山本:ぜひぜひ。もっと盛り上げていけたらと思います。 野島:よろしくお願いします。ということでいろいろと伺ってきましたが、最後にヤマケンさんからお知らせなどがあれば。 山本:2つありまして、ひとつは皆さん気になっている次回の「富士ヒル」の開催日なんですが……。 野島:まさか、もう聞けるんですか!? 山本:ここで発表することはできないんですけど(笑)。 野島:ですよね(笑)。いくらなんでも。 山本:秋頃に実行委員会が開かれ、そこで承認を得てから発表となりますので、もうしばらく待っていただければと思っております。 野島:めちゃめちゃ楽しみにしています! 山本:そしてもうひとつ、(「富士ヒル」の)関連イベントとして10月に「八ヶ岳高原ロングライド」という山梨県北杜市を1周グルッと回るサイクリングをやりますので、ぜひこちらもご参加いただければと思います。 野島:八ヶ岳はいいですね。これは(走行距離)何kmぐらいですか? 山本:ロングコースが8地域をぐるっと回って105kmです。 野島:気持ち良さそうな距離感でいいですね。 山本:前半はずっと下りで20km下って、その後はちょっと平坦で、あと20kmまた登りという素晴らしいコースです。「富士ヒル」の練習としてもいいと思います。 野島:確かにそうですね。ぜひ(皆さんに)参加していただきたいですね。本日はお忙しい中ありがとうございました。来年の「富士ヒル」は90分ぐらいを目指して頑張りたいと思います(笑)。今後ともよろしくお願いします! 山本:ありがとうございました。 (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2024年7月14日(日)放送より)