海外からの参加者増、女性の参加率もアップ…世界からも注目される「富士ヒル」舞台裏を野島裕史が振り返る
◆海外からの参加者増! 世界が注目する「富士ヒル」
野島:改めて今年の「富士ヒル」はどうだったのかを振り返ってみたいと思いますが、山本さんはいつから現地に入っていたんですか? 山本:5日前ですね。 野島:結構前に入るんですね! 山本:会場入りして(富士山)五合目のチェックですとか、各会場のチェック、そうこうしているとあっという間に大会当日を迎えてしまうんですよ。 野島:5日もあっという間? 山本:資材のチェックをしていると本当に時間が経つのは早いですね。やはり規模が大きいので、比較的早めから現地入りしています。 野島:規模感という意味では、今大会は約9,000人がエントリーということでしたが、実際に参加したのはどれくらいだったんですか? 山本:走られた方は8,300人弱で、過去20回の大会のなかで2番目の規模ですね。 野島:もうすっかりアフターコロナといいますか、すっかりコロナから回復した感じがありますね。では、参加者の特徴は何かありましたか? 山本:大きく2つあって、ひとつ目は海外からの参加者が増えました。 野島:それは僕も肌で感じました。日本語以外の言語があちこちで聞こえてきて。やはり、世界的に「富士ヒル」というイベントが周知されてきたということですかね? 山本:おかげさまで富士山というコンテンツが魅力的で、アジアからのお客さまが非常に多く、特に女性の参加率が高かったんですよね。今回、女性の参加率は10%を超えていて、普段はだいたい6~7%くらいなので急に上がったんですよ。 野島:そうなんですね。ちなみに、(最高で)何歳ぐらいの方が出ていたかご存じですか? 山本:80歳の方がいらっしゃいましたね。 野島:さすがですね。その方は回収もされずに? 山本:完走されていたと思います。 野島:それは幅広い年齢層で性別も関係なく参加できる大会であるということですよね。僕らの先輩声優の井上和彦さんが70歳記念といって参加していました。「記念で参加するの?」とか思っていたんですけど、ちゃんと完走されて、しかもエンジョイされていて。(井上さんは)「また出たい」とおっしゃっていました。やはり、「富士ヒル」というのは1度出るとハマってしまうものなんだなと改めて思いました。 山本:ありがたいですね。 野島:そして大会当日。朝は霧があって寒くて、僕らは大丈夫かなとも思ったんですけど、運営側としてはどうでしたか? 山本:今回、台風1号が発生し、梅雨前線の影響があるということで大会の1週間くらい前から毎日、というか3時間おきぐらいに天気予報をチェックし、一喜一憂していました。すごく忙しかったですね。 野島:やはり天気によって準備するものが変わってくるものですか? 山本:そうですね。ワーストシナリオを想定して機材を揃えていくので。 野島:ただ、結果的に四合目より上は晴れていました。 山本:それが山の不思議というか、僕らも晴れるとは思っていませんでした。(晴れている)写真が送られてきたときは目を疑いましたからね(笑)。 野島:そうかと思えば、下りは雹(ひょう)が降ったりもしました。ただ、五合目では放送で「天候不順があり得るから早めに下山するように」と案内されていたりと、そうしたところからも常に天候と闘っているんだなと思いましたね。