疥癬でボロボロになっていた猫を保護したら… 食欲回復!幸せいっぱいのぽっちゃり猫に
■疥癬でボロボロになった猫 関東地方在住のKさんが2023年6月8日に保護した猫にぼしちゃん。もともとは公園で暮らしていた地域猫でした。この公園には多くの地域猫が住み、餌をあげたり可愛がってくれる人々も多くいました。しかし、人馴れしている猫が多い反面、虐待を受ける猫もいて、警察や行政に通報されることもありました。にぼしちゃんは、人馴れしていない猫の1匹でした。 【写真】保護当時は疥癬でボロボロの状態だった その日、Kさんは犬の散歩で久しぶりに公園を訪れました。ふと斜め後ろを振り返ると、植え込みにうずくまる猫を見つけました。Kさんは目が悪いのですが、猫の顔に違和感を覚えました。犬を柱に繋いで猫に近づいてみると、その猫が疥癬にかかっていることに気付きました。Kさんはすぐに家にいる娘に連絡し、捕獲器を持ってきてもらい、その場で捕獲したそうです。 ちょうどその頃、いつも餌をあげている女性が公園にやって来ました。彼女は良い方で毎日猫を見守っていましたが、医療を受けさせることはできていませんでした。Kさんはその女性に他の地域猫にも駆虫薬を付けてもらえるようお願いし、その足でにぼしちゃんを病院へ連れて行き、治療を開始しました。 ■旺盛な食欲と目覚ましい回復力 にぼしちゃんは疥癬の痒みで食欲がなく、とても痩せていました。ケージの床にはダニのフンがびっしりと落ちていました。しかし、保護してからしばらく経つと驚くほどの食欲を見せ、痩せた体で大量のご飯を平らげたといいます。 「元気になってきたら、2匹分のご飯を平らげたのでびっくりしました(笑)。にぼしという名前は、トッピングの煮干しが好物なことにちなんでいます。最初の頃は人に対して攻撃的で、餌をあげる時やトイレ掃除の時にパンチをしてきましたが、それも次第に治まりました。駆虫薬の効果で日に日に皮膚の状態は良くなりました」 現在、にぼしちゃんの疥癬は完治し、少し太めのポッチャリ猫になりました。エイズキャリアですが、温厚な性格なので健常猫との同居は可能だといいます。 「エイズは喧嘩した噛み傷などで感染しますが、温厚で控えめな性格なので、喧嘩にはなりません。性格はとてもジェントルマン。控えめで優しく、人間よりも猫が好きな猫です。他の猫たちともうまくやっていける性格なので、先住猫がいる家庭に譲渡したいと考えています」 にぼしちゃんは、地域猫たちに対する温かい手がどれだけ大切かを教えてくれました。Kさんは、にぼしちゃんが幸せに暮らせるよう家猫修行の真っ最中。 「ケージ内ですと撫でられますし、気持ちよく顎を伸ばします。ケージの外に出していると、人が近付くと離れてしまいます。人慣れして、ずっとのおうちが見つかればいいなと思います」 (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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