関東大震災から100年…命を守るための“2つの教訓”
■関東大震災の教訓② 「"群集事故"に注意」
さらにもう1つ知ってほしい「関東大震災の教訓」。それは「"群集事故"に注意」です。 関東大震災では避難しようとする大勢の人が橋などに押し寄せ、群集事故が起きたという記録があります。この時と同じことが、首都直下地震で起きてもおかしくないと指摘されています。 群集事故を引き起こす大きな要因になると言われているのが「帰宅困難者」です。
東日本大震災では、東京だけでおよそ352万人の帰宅困難者が出ました。もし首都直下地震が発生したらこれを大きく上回る、最大で452万人の帰宅困難者が生まれると予測されています。 これだけの人が一斉に移動すると、激しい揺れでガタガタになった路面で転倒する人が出たり、余震が起きて急にみんながその場から逃げだそうとしたり、ちょっとしたきっかけで群集事故が起きてしまうといいます。 では命を守るためにどうすればいいのか。 都市防災に詳しい東京大学大学院の廣井悠教授によると、最大の対策は「すぐに帰らないこと」。安全が確保できているなら、ある程度状況が落ち着くまでその場にとどまりましょう、ということです。 そのためには… ●会社や学校など、普段いる場所に水や食料などの備蓄物資を日頃から準備しておくこと(東京都は3日分の備蓄を呼びかけ) ●家族の安否が不安だと「やはり帰りたい」とどうしても思うので、“いざという時の連絡手段”をあらかじめ話し合っておくこと 例えば、公衆電話などからも使える「災害用伝言ダイヤル」に伝言を残そうと決めておくこと …などが重要だということです。