関東大震災から100年…命を守るための“2つの教訓”
1923年に発生した関東大震災から、今年でちょうど100年。関東大震災とはいったいどんな災害だったのか。首都直下地震から命を守るための教訓とは…。 ◇ ◇ 9月1日は「防災の日」です。1923年のこの日に「関東大震災」が起きたことに由来していますが、それから今年でちょうど100年となります。そこで「関東大震災から学ぼう」をテーマに、首都直下地震から命を守るための“2つの教訓”をご紹介します。
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■100年前の関東大震災の痕跡 東京の街路樹にも…
まず、関東大震災とはそもそもどんな災害だったのか。実はそれを紐解く鍵が「街路樹」にあります。 ということで、ここでクイズです。 次の3つの樹木のうち、東京都の街路樹で1番多いのはどれでしょうか。 A サクラ B イチョウ C ポプラ 正解は…Bの「イチョウ」です。 実は関東大震災の時、東京では大きな火災が起きたのですが、街路樹として植えられていたイチョウが焼け止まりになった、つまり“それ以上燃え広がるのを防いだ”とされたそうです。イチョウに延焼防止の効果があるということで、復興の時にイチョウが多く植えられたと言われています。 実は、当時の火災を生き延びたイチョウが今も都内に残っています。
それは皇居のすぐそば、この大きなイチョウの木です。保存のために少し位置が移されてはいますが、100年前もこの辺りにあり火災に巻き込まれました。今でこそ葉が生い茂っていますが、当時は黒焦げになったともいわれています。関東大震災は「火災による被害」がとにかく大きな災害だったのです。 関東大震災は1923年9月1日の午前11時58分に発生しました。激しい揺れが首都圏を襲い、都心でも震度7に達したと推定されています。お昼ごはんの時間帯だったこともあり、当時使われていた「かまど」や「七輪」から同時多発的に火災が起きました。 関東大震災で亡くなった方・行方不明になった方はおよそ10万5000人、そのうちのおよそ9割は火災によって命を落としたといいます。全壊・全焼した建物はおよそ29万棟にのぼりました。