台湾・日本・米国のエネルギー同盟で、中国による「台湾封鎖」を抑止せよ
日米台エネルギー同盟条約 日米台は、エネルギーの安定供給のために協力する 日台はエネルギー備蓄を強化する。備蓄量の確保と、対テロ対策の強化に努める 日米台は緊急時に石油、ガス、石炭、核燃料のエネルギー融通を行う 日米台政府は石油・ガス・石炭エネルギー供給の長期契約を促進する 日米台はエネルギー輸送のための自国籍の船舶の確保に努める 日米台はアラスカの油田・ガス田および輸出インフラを共同で開発する。20年以上にわたる長期契約を締結し、米国籍の船による輸送を行う 日米台の海上保安組織は、協力してエネルギー海上輸送の安全を確保する ■ 条約に韓国の参加も 韓国もやはり輸入化石燃料依存であり、海上封鎖をされる危険もあって、エネルギー脆弱性は日本や台湾と類似しているので、この条約には韓国の参加もあると、さらによいかもしれない。 なお前述のアラスカの例に限らず、日本のLNG長期契約は減少している(図4)。この原因のひとつは脱炭素政策によってLNGの長期の需要が見通せないことである。これはもちろんエネルギー安定供給の観点からは望ましくない。この傾向を覆すためにも、上記のような条約があることが望ましい。 2050年脱炭素よりも、台湾そして日本のエネルギー安全保障の方が重要だ。パリ協定については離脱すべきだと筆者は以前書いた。すぐにそこまでは行かないとしても、喫緊の課題として、エネルギー安全保障を確保するこのような条約を別途締結することから始めることが重要なのではなかろうか。 【関連記事】 ◎日本がパリ協定を離脱する日、このままでは産業空洞化が加速するばかり
杉山 大志