トークン化米国債ファンドの時価総額が20億ドルを突破──ブラックロックのファンドが急成長
RWA.xyzのデータによると、トークン化された米国債は時価総額が10億ドル(約1450億円、1ドル145円換算)に達してからまだ5ヶ月も経っていないが、24日にはさらに倍増した20億ドル(約2900億円)の水準を突破した。 トークン化された米国債とは、イーサリアム(Ethereum)、ステラ(Stellar)、ソラナ(Solana)、マントル(Mantle)などのブロックチェーン上でトークンとして取引できるデジタル版の米国債だ。20億ドルは最近発売されたこのファンドにとって印象的な節目ではあるが、27兆ドル(約3915兆円)という米国債市場の巨大な規模を考えるとさらに成長する余地がある。 最大のファンドであるブラックロック(BlackRock)の米ドル機関デジタル・リクイディティ・ファンド(BUIDL:USD Institutional Digital Liquidity Fund)は、今年の時価総額の急増の大きな要因となっている。3月下旬の発売からわずか6週間で、BUILDLは時価総額3億7500万ドル(約543億7500万円)でトークン化された米国債ファンドとしては最大となった。現在の資産は5億300万ドル(約729億3500万円)に達している。競合には、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のオンチェーン米政府マネー・ファンド(FOBXX)やオンド(Ondo)の米ドル・イールド(USDY)があり、これらも爆発的な成長を遂げている。 しかし、rwa.xyzのデータによると、最近の成長の大部分は小規模な発行体によるものだ。ハッシュノート(Hashnote)の提供するファンドは過去1ヶ月で約50%急増し、2億1800万ドル(約316億1000万円)に達した。一方、オープンイーデン(OpenEden)とスーパーステート(Superstate)のファンドは同期間にそれぞれ37%と18%成長し、どちらも時価総額1億ドル(約145億円)に迫っている。 トークン化された米国債ファンドは、保有資産の分散を図る暗号資産(仮想通貨)トレーダーにとって人気の投資手段となっている。こうしたファンドを使えば、過去数年間の米国債利回りの急上昇の恩恵を受けられる一方で、いつでも取引を決済できる。 現在、10年物米国債利回りは3.81%で、4年前の1.5%と比較して大幅に上昇している。同様に、2年物利回りは2020年と2021年のほぼゼロの水準から3.92%まで上昇している。 |翻訳・編集:林理南|画像:RWA.xyz|原文:Tokenized Treasury Funds Pass $2B Market Cap Amid BlackRock’s Explosive Growth
CoinDesk Japan 編集部