脳にムダな情報があふれて”ゴミ屋敷”化「スマホ認知症」の原因やメカニズムを医師が解説
脳の主要部位と機能を解説!
■大脳辺縁系(だいのうへんえんけい) 海馬や扁桃体などの組織が複合されたもので、喜怒哀楽や記憶、自律神経の活動に関与する。 ■頭頂葉(とうちょうよう) 顔や手足などから感覚情報が集まる。 ■後頭葉(こうとうよう) 目に映し出された画像を処理する。 ■小脳(しょうのう) 筋肉運動や平衡感覚を司る。 ■前頭葉(ぜんとうよう) 「ワーキングメモリ」を担い、主に思考や、判断し行動する機能を司る。前頭葉の働きが低下すると「スマホ認知症」になりやすい。 ■側頭葉(そくとうよう) 聴覚や言語、記憶、感情などにかかわる。 ■脳幹(のうかん) 意識や呼吸など生命維持に関与する大きな役割を果たす。
スマホの影響で脳の機能が低下する?
さらに、いまやわれわれの生活になくてはならない存在になったスマホが、脳の機能を低下させていると奥村さんは指摘する。 「スマホを見ていると脳に入ってくる情報が多すぎるため、脳が疲労して前頭葉の働きが低下する『スマホ認知症』になりやすい。これは脳にムダな情報があふれて、まさに“ゴミ屋敷”になっている状態で、若い人に多く見られます」 濱崎さんもスマホの弊害に警鐘を鳴らす。 「スマホには文字入力を助けてくれる予測変換機能があるので、自分の頭で適切な言葉を考えることを怠る癖がつき、脳の神経回路が退化してしまう。漢字をしばらく書かないと思い出しにくくなるのも、同じ原理です」 脳に悪影響を与える生活を長年積み重ねていると、認知症のリスクは高くなる。しかし、心がけ次第で認知症を遠ざけることは可能だ。 「20才を過ぎると1日10万個の神経細胞が死滅するといわれていますが、もともと脳には千数百億もの神経細胞があるので、加齢が認知機能に与える影響は実はそれほど大きくありません。 また、最近の研究では、脳にはいつでも分裂できる『神経幹細胞』があり、高齢になっても新しい神経細胞が作られることが明らかになっています。何才になっても脳を刺激して、脳細胞を増やすことで、パフォーマンスを向上させることができるのです」(長谷川さん) 写真/PIXTA ※女性セブン2024年11月21日号 https://josei7.com