使途報告不要な政治資金 自民山口県連が県議らに4200万円支給 2020~22年
自民党の地方組織である山口、島根両県連が2020~22年の3年間、使途報告の不要な政治資金として、それぞれ4200万円と2695万円を県議らに渡していたことが23日、明らかになった。政党が政治家個人に渡すことで使途報告が必要ない自民党本部の政策活動費と同様の仕組み。県連から支出された多額の政治資金の使途が分からない状態になっている。 【写真】2021年の自民党山口県連の政治資金収支報告書【画像】自民党山口県連が県連幹部や県議に支出した活動費 中国地方5県にある党県連が各県選管に提出し、インターネットなどで公開されている3年分の政治資金収支報告書を中国新聞が集計、取材した。広島、岡山、鳥取の3県連は使途の分からない政治家個人への支出はなかった。 山口県連は活動費として、20年に県連幹部ら3人に計511万円、21年に県連幹部ら2人に計1765万円、22年に県議ら29人に計1924万円を支出。3年間の総額は4200万円に上る。個人別では、県連の幹事長を務める友田有(たもつ)県議が3年で計1936万円を受け取り、全体の半分近くを占めるほか、総務会長などの吉田充宏県議の計527万円、柳居俊学県議会議長の計350万円が続く。 島根県連は組織活動費として県議らに計2695万円を提供した。内訳は20年が9人に計196万円、21年が33人に958万円、22年が34人に計1542万円だった。絲原(いとはら)徳康県連会長の計212万円が最多だった。 両県連とも支出先の県議らの名前と金額を収支報告書に記載しているが、受け取った県議らが何に使ったかは書かれていない。
中国新聞社