「あなたのクルマ、車検に落ちるかも」 8月から始まる“新検査基準”が結構シビアに……思わぬ出費に備えて!
車検はクルマを維持していく上で、必要不可欠な儀式と言えるもの。乗用車の場合新車から3年で、それ以降は2年毎に受ける必要があって、受けない場合は当然、公道の走行は不可になってしまう。また、受けたとしても落ちてしまう可能性もあって、そうなると予想外の出費と手間がかかることもあったりして、いずれにしてもクルマを維持するランニングコストとしてはけっこうな割合を占める。 ⇒【写真】「対向車のハイビームがまぶしい!」急増中の理由は? “暗闇の無灯火運転”も減らない……気になる最新事情を解説 そんな車検がここに来て、さらにシビアな状況になっているのをご存知だろうか。ユーザー車検で通している方を除いて一般的にはほとんど知られていないのが、「ヘッドライトの検査基準」が変わったこと。車検でチェックされる項目のなかにヘッドライトがあって、光量(明るさ)と光軸(配光パターン)がチェックされている。もともと古いクルマや社外のバルブなどに交換した場合、通らないことはあったが、今回はもっと深刻だ。
街中でも見かける“新基準”未達車……車検を通せないクルマが続出の可能性!
変更点としては検査時の基準がハイビームからロービームへの変更で、背景にあるのは法律的にはハイビームが基準とはいえ、実際はロービームで走ることがほとんど、ということがある。これ自体は問題はなしで、気になる開始時期については、2015年9月1日からと実はすでに実施されていている。すでに9年前から変更されているわけで、なにが問題なのかと疑問に思うかもしれない。 現状は移行期間ということで、ロービームでダメな場合、ハイビームで再度検査してOKなら車検もパスということになっている。ロービームよりもハイビームのほうが光量は多いので、ギリギリの場合、そうなることが結構ある。 そしていよいよ、本格運用となるのが2024年8月1日以降。ロービームだけの検査となって、ハイビームは不可ということになる。さらに言ってしまえばこれ自体もとくに問題ないように思えるが、対象車が問題で「平成10年(1998年)9月1日以降に生産された車」となっている。つまり現状で約25年経過しているクルマも対象となるわけで、そうなるとライトの明るさが問題になってくる。 最近、クルマ関係のお悩みでかなり多いのがヘッドライトカバーの劣化。白く曇ったようになって見た目が悪いだけでなく、光量もかなり落ちるので安全性も低下してしまう。そのような状態のクルマを街中でもよく見かけるので、レアケースでもないのが深刻だ。 つまり車検に落ちるというか、通せないクルマが続出する可能性もあって、車検整備の一環としてレンズを磨いてコーティングをするか、レンズの素材まで劣化している場合は丸ごと新品への交換となるかもしれない。いずれにしても手間と費用がかかるので頭が痛いところで、みなさんも愛車のヘッドライトを今一度確認してみてほしい。 ただし、全国に10ある運輸局のうち、6つで実施延期となっていて、実施するのは北海道、東北、北陸信越、中国の4つのみ。理由は台数が多いことや周知の問題としていて、延期期間はなんと2年間。つまり延期した地域では次の車検はハイビームでも受検できることになる。準備不足といきなりつまずいた感は否めないのは確かだ。ただ変更されること自体は確定なので、油断は禁物だ。 文/近藤暁史
MonoMaxWeb編集部