「ジャケット姿がなぜかだらしない…」ベルト締めたお腹まわりがみっともない男性に欠けている視点
ただし会議で着席したまま司会進行を担当するときは、ボタンを留めた状態を維持します。これはニュース番組の司会者も、採用している着こなしです。 ■注意すべき暖冬の着こなし 暖冬と言われている今年は、薄手コートのラインナップも各社に並びます。このときコート代わりに、「インナーダウン」と呼ばれるダウンベストの着こなしを検討されている方もいらっしゃるかもしれませんが、この着こなしは評価が分かれます。 スニーカー通勤やビジネスリュック以上に、インナーダウンは奇抜な着こなしとして認知されているため、揶揄されやすいのです。インナーダウンの着こなしは、自転車通勤される方のみおすすめしています。ただし暖房がきいたオフィスでジャケットを脱いだ状態で、「シャツにダウンベスト」という組み合わせは絶対にNGです。コートを着るほど寒くはないけれども、ジャケット単体では冷えるというときは、ニットとマフラーをジャケットに合わせてみてください。
一方、コートやマフラーについては、取引先の建物に入館する前に外しましょう。これは座りながら名刺交換をするようなレベルのNGだと感じる方もいらっしゃるからです。 ■ノーネクタイ浸透が広めた功罪 さいごに「ネクタイとボタンダウンシャツ」という組み合わせについて扱います。元々スポーツシャツとして生まれたボタンダウンシャツが、ノーネクタイ専用ということは知られた話ですが、最近では「ネクタイの有無を問わずに着用」される方も増えているのです。
実際のところ政治家やアナウンサーなど、このような組み合わせをしている方を、テレビで見かける機会が増えました。ですが「ツヤのあるネクタイとボタンダウンシャツ」という組み合わせは、やはり違和感を拭いきれないもの。 名刺交換などの作法については入社段階で研修を受けますが、服装については「サイズ感があったスーツを着る」や「シワがないよう手入れをする」という常識的なものばかり。ところが実際には、「服と服の合わせバランス」や「着用状態の違和感」こそ、身だしなみとして減点されやすいのです。実践的な着こなし知識を通じて、服装の減点を卒業しましょう。
森井 良行 :ビジネスマンのためのスタイリスト