サツマイモの害虫アリモドキゾウムシ「根絶」 浜松の緊急防除解除へ 栽培可能に
浜松市内でサツマイモなどに被害を及ぼす害虫「アリモドキゾウムシ」が見つかった問題で、静岡県は14日、植物防疫法に基づく緊急防除が今月末で解除される見通しになったと発表した。直近1年間の発生がなく、国の検討会議が根絶したと判断した。禁止されていたサツマイモの栽培が可能になる。 アリモドキゾウムシはイモの食味を著しく落とす害虫。サツマイモを含むヒルガオ科植物に寄生する。2022年10月に浜松市の沿岸部で確認され、23年3月から緊急防除を実施していた。 23年11月以降は捕獲事例がなく、今年11月7日の現地調査でも確認されなかったことから、農林水産省の検討会議が緊急防除を解除する方針を決めた。11月末の官報をもって正式に解除される。 県は20日、浜松市やJA、生産者らでつくるアリモドキゾウムシ防除対策協議会を開き、解除方針について情報共有する。近隣の販売店などにも説明する機会を設ける。 県によると、アリモドキゾウムシが確認されたのは本州では初めて。原因は不明。過去の発見地点やサツマイモの集荷施設などで調査を継続する。食と農の振興課の担当者は「地道な取り組みでようやく根絶にたどり着いた。生産者が栽培の準備に取りかかれるように周知を進めていきたい」と話した。
静岡新聞社