尾上松緑 人間国宝・神田松鯉の作品『無筆の出世』で歌舞伎と講談がコラボ 「世界観を壊す事無く」4月上演へ
歌舞伎俳優の尾上松緑さん(49)が、4月歌舞伎座で上演される『無筆の出世(むひつのしゅっせ)』に主演することが決定し、人間国宝の講談師・神田松鯉さん(82)と共演することが発表されました。 【画像】尾上松緑 時代劇でおなじみ、名奉行・大岡越前守を初めて勤める 「ど真ん中の正義を演じたい」 『無筆の出世』は、松鯉さんの講談から生まれる新作歌舞伎で、松緑さんの主演で好評を博した『荒川十太夫』や『俵星玄蕃』のスタッフが再集結し誕生します。 松緑さんは、「これまで講談からの移植では古典歌舞伎から転用しても違和感の無い色々な挑戦をして参りましたが、今回もその気持ちを忘れずに“擬古典”として違和感の無い作品に仕上げつつ、これまでに無かった演出等も作者、演出家、共演者、スタッフの皆とアイディアを出し合っている所です 『無筆の出世』は講談として既に名作で御座居ます その世界観を壊す事無く、また歌舞伎座の舞台で上演しておかしくない作品に作って行きたいと決意しております」とコメント。 上演される『無筆の出世』は、松鯉さんが自身で速記本から起こした講談で、奉公人の治助という男が酒癖の悪い主人から受けた仇を恩で返すという心温まる感動作。松鯉さんを師匠にもつ神田伯山さん(41)も度々手掛けています。
そして、松鯉さんは、「小生の講談『無筆の出世』が此の度歌舞伎化される事になった。思えば令和四年の『荒川十太夫』に続いて二度目の快挙であり、これ程嬉しい事はない。四十数年前に古い速記本から起した愛着のある作品である。加えて今回は小生自身も講釈師として舞台に上げていただく事となり、取り上げて下さった主演の尾上松緑丈を始め皆様の期待とご厚意に背かぬよう懸命に勤めさせていただきますので何卒宜しくお願い申し上げます」とコメントを寄せました。