”遊び心”詰まった福袋販売 創業300年以上の老舗酒蔵 高価な日本酒お得に/兵庫・丹波市
創業300年以上の歴史を誇る老舗酒造会社「山名酒造」(兵庫県丹波市市島町上田)が、中高価格帯の日本酒を詰め合わせた福袋の販売予約を始めた。冬場の酒造りの忙しさから「初売りに縁がない」という蔵元の”遊び心”が詰まった商品。12代目蔵元の山名洋一朗さん(34)は「お得な詰め合わせ。おいしい料理と良い酒を合わせ、年始の『ハレの日』を楽しんでほしい」と笑顔を浮かべる。7700円。 火入れされ、常温で保存しやすい四合瓶の日本酒5本をセットに。純米大吟醸や、地元などで有機栽培した酒米を原料にしたものなど「定番商品よりワンランク上のお酒」(山名さん)をそろえる。 袋は実際に酒米を入れていた30キロ用の米袋を再利用。山名家の家紋と、創業年の「SINCE 1716」の文字をあしらった。山名さんは「中から米が出てきたら縁起物と思っていただければ」と笑う。袋の持ち手にぶら下げているヘビの型紙には、山名さんが手作りした芋版で「福」の文字を押している。 酒蔵にとって冬場は仕込みの最盛期。原料を発酵させるためには細かな温度管理も求められる。特に蔵元はめったに外出できず、山名さんは「福袋も買ったことがない」と苦笑する。「自分たちが買いに行けないなら売ってみよう」と考案し、福袋への憧れを形にした。 「いつも買ってくださる地元の方への恩返し」と、購入できるのは同酒造まで来られる人に限る。予約は29日までで、引き取り期間は来年1月4―31日。