4500年かかるはずだったJavaのバージョンアップを生成AIで実現した話
Amazonの社内システムで動いていた1万ものJavaアプリケーションを生成AIがバージョンアップした。
Amazon社内で1万ものJavaアプリのバージョンアップ作業を生成AIに支援させたら、開発者の4500年分の時間が浮いた。これはラスベガスで開催されたAWS re:Inventで出たレガシーシステム移行に関するトピックだ(関連記事:AIアプリとデータ分析が「ニューノーマル」に クラウドの代名詞AWSが進む道)。4500年前というと、人類はまだエジプトでピラミッドを作っていた頃である。 このトピックにあわせて発表されたのが、エンジニア向けのエージェントであるAmazon Q Developerのシステム移行支援機能だ。具体的には「.NETアプリケーションのクロスプラットフォーム化」「メインフレームのモダナイゼーション」「VMware環境の変換」などが発表された。ソースコードを読み込んだり、各コンポーネントの依存関係を調べることで移行プランを作成し、ドキュメント化やユニットテストまで支援してくれるという。 どこまで動くかは未知数だが、これは情シスのエンジニアには朗報だ。基幹システムの移行期限やエンジニア不足が課題となる「2025年の崖」が目の前に迫る中、多くの情シスはレガシーシステムの移行に頭を悩ませているはず。エンジニア不足でプロジェクトが先に進まないのであれば、人手によるレガシーシステムの移行はもはやあきらめ、生成AIに任せてしまうのは1つの手と言える。全部は難しいにせよ、特にドキュメント化はレガシーシステム移行で負荷の大きい作業なので、AIに任せるという選択肢を検討すべきだ。 文:大谷イビサ ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。 文● 大谷イビサ 編集●ASCII