【日本株週間展望】下落、米景気懸念で円高リスク-仏政治不安も重し
(ブルームバーグ): 6月第4週(24-28日)の日本株は下落する見通し。米国景気に対する懸念がくすぶり、外国為替相場が円高方向に振れるリスクが重しとなりそうだ。週後半にかけては欧州の政治不安が意識され、投資家のリスク回避姿勢が広がる可能性がある。
第3週の東証株価指数(TOPIX)は週間で0.8%安と続落した。フランスの政治混迷に対する懸念が広がり、株式の持ち高を減らす動きが先行。その後は米利下げ期待などを受けて持ち直す場面も見られたが、週初の下げ解消には至らなかった。
米国では28日、金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。食品とエネルギーを除いたコア価格指数は前月比0.1%上昇と、低い伸びにとどまると予想されている。25日に発表される消費者信頼感指数とともにインフレの鈍化傾向を示せば、米利下げ観測が為替の円高につながり、自動車など輸出関連株の売りを誘いそうだ。
週後半は欧州政治リスクを見極める雰囲気が強まる。30日に控えるフランス国民議会(下院)選挙の第1回投票は、世論調査によると極右政党・国民連合(RN)がリードしている。仏政治・財政の先行きが不安視されやすく、リスク資産の株式にはマイナス材料になる。
フランスの政治不安、日本株に嵐を呼ぶリスク-蘇る2017年の苦い記憶
国内では日本銀行が24日に6月の金融政策決定会合における主な意見を公表する。国債買い入れ減額の方針を決めた会合であり、議論の内容によっては長期金利が上昇する可能性がある。28日には全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる6月の東京都区部CPIが発表される。
《市場関係者の見方》
セゾン投信の瀬下哲雄マルチマネジャー運用部長
為替が円高方向に振れるリスクが高く、日本株の下落につながりやすい。日銀の主な意見は市場で金融引き締めの方針が改めて意識されるきっかけになり得る。米国の消費者信頼感指数が市場予想を下回れば、米景気の弱さが意識されそうだ。フランスの第1回投票が近づくにつれてリスク要因になる可能性もある。