3連覇→5位のオリックス…中嶋聡監督が口にした「慣れ」はどこにあったのか「めちゃくちゃ悩みました」残留したコーチが率直に語った“葛藤”
「中嶋野球」の凄み
水本ヘッドコーチは、4年間そばで見てきた同学年の中嶋監督をこう評する。 「一番すごかったのは先の読み方。僕はいつも将棋に例えるんですけど、二手、三手、四手先とか、そんなもんじゃないんです。行き当たりばったりでなく、こうなったらこうなるんじゃないかという想像力と、自分が立てていた計画に対して何かがずれた時に、それならこうしていく、という行動力はすごい。選手に対する一つ一つの言葉も優れていると思うし、本当に勉強になりました」 中嶋監督の退任後、次々とコーチ陣の退団が発表された。中でも、かつて日本ハムでトレーニングコーチを務め、2019年からはオリックスで多くの選手を開花、再生に導いてきた中垣征一郎巡回ヘッドコーチの退団は、来年以降大きな影響を及ぼす可能性がある。
残ったコーチたちの葛藤
一方で、中嶋イズムの理解者だった水本ヘッドコーチや厚澤投手コーチが留任し、若い岸田護新監督を支えることは心強い。 広島で長年二軍監督などを務め、中嶋監督が正式に一軍監督に就任した2020年オフにオリックスに招聘された水本ヘッドコーチは、自身も退くべきかどうか葛藤したという。 「めちゃめちゃ悩みました。『一緒に辞めるべきやな』とも本当に考えました。でも、辞めることが責任をとることなのか……。計画性を持ってやってきた中で、怠った自分がいるんだったら、それは辞めなあかん。でも過程の部分では一生懸命やってきたし、中嶋監督と話したり、いろんなことがあって、最後はもう一回ユニフォームを着させてもらう形になりました。 監督はああいう形で責任をとるという言葉を残して去っていった。それは監督が考えて、自分の考えを曲げなかった。続けて欲しかった気持ちは100%あるけど、『監督辞めないでくださいよ』とは言わなかった。まあ冗談では言ったかもしれないけど(笑)、監督が最後決めたことだから。監督とは仕事の関係、大人の関係だったから、いい距離感だったなと今になって思います。べったり飯行ったり、『うんそうね。そうやね』という仲の良さじゃなく、本当に真剣に『どうする? 』ってやっていたから」
【関連記事】
- 【前編から読む】オリックス・中嶋聡監督「電撃辞任」“その後”…選手たちは衝撃をどう受け止めたのか?「僕が引っ張っていきます」口にした中堅選手の思い
- 【お宝画像】「これぞオリ髭!」口ヒゲをはやしたオリックス・中嶋聡捕手(27歳)の貴重な私服ショットを見る…バファローズのエモい写真も一気に振り返る
- 【秘話】「オレが一番喜んでるよ」山本由伸から届いたメッセージ「100日ぶり一軍登板」オリックス・宇田川優希の長い苦闘と“小木田世代”の絆
- 【再生へ】「自分と戦わなくてよくなった」吉田輝星が明かす確かな手応え…日本ハム→オリックスの首脳陣が密かに練り上げた「覚醒計画」とは
- 【人気】「おかん、頑張るよー!」スタンドに何度も叫んだオリックス・宗佑磨…“母一人子一人”支えてくれた感謝の想いは「恥ずかしくないんで」