偏差値50台でも早慶に入れる時代に…!受験生に朗報「難関私大への合格率が軒並み上昇」納得の背景
受験生にとっては朗報だろう。 大手予備校・河合塾が昨年末に発表した、’24年度「私立大の入試結果分析」。難関私大への偏差値別の合格率が、5年前と比べ軒並み上昇しているのだ。以下は、河合塾が独自調査した「早慶上理(早稲田、慶應、上智、東京理科の難関4私大)」の合格率を’19年と’24年の入試で比べたデータである(左端の数字は偏差値滞)。 【涙の栄冠】「あの学校が!?」…激変!東大ランキング「歓喜の女子高生」大胆な胴上げ写真 ・65以上:52%→62%(+10%) ・60~65未満:21%→31%(+10%) ・55~60未満:10%→15%(+5%) ・50~55未満:5%→6%(+1%) ・45~50未満:3%→3%(0%) ・45未満:3%→4%(+1%) 少子化の影響で各大学の入試倍率が下がっているが、難関私大へ入りやすくなった理由はそれだけではない。背景には納得の事情があるという。 ◆定員管理の厳格化と緩和 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が解説する。 「文部科学省による、定員管理の厳格化と緩和が大きく影響しています。学生数8000人以上の大規模大学は、それまで定員の1.2倍まで入学させることができましたが、文科省は’18年度から1.1倍への引き下げを要請。入学者が超過すると、国の補助金が交付されなくなってしまったんです。各大学は合格者を減らしたため、5年ほど前の入試は激戦となりました。 しかし定員管理は’23年度から緩和されます。それまでは学部ごとの入学定員だったのが、4学年全体の収容定員が対象に。例えば2年から4年生で中退者が出て定員割れした場合、新1年生の入試で多めに入学させられるようになったんです。結果、’23年は定員の1.3倍、’24年度は1.2倍が基準となりました」 難関私大へ入りやすい状況は、今後も続くのだろうか。石渡氏が続ける。 「易化傾向は今後も続くでしょう。’10年代後半から共通テスト、総合型選抜、学校推薦型選抜と入試方法が多様化しています。一般入試を回避する受験生が増えているんです。その分、難関私大でも志望者が減り合格率が上昇。偏差値50台でも、あきらめずに早稲田や慶応にチャレンジすれば合格する可能性はあります」 偏差値50台でも早慶に入れる時代に……。ただ手放しでは喜べない。難関を突破するには、それなりの努力が必要だ。 「大学入試改革が進み、英語は長文読解のための単語数が倍増。他教科でも、知識だけでなく読解力が求められる問題が増えています。5年前、10年前と比べ難関私大の偏差値が下がっているからといって、簡単に合格できるわけではありません」(石渡氏) 偏差値の変化だけで合格が勝ちとれるわけではない。時代に合わせた努力が必要なのは、言うまでもないだろう。
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