京都共栄vs京都橘はともに手痛いドロー
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関西1部は7日に第11節を実施。京都サンガF.C.東城陽グラウンドで行われた京都共栄(京都)と京都橘(京都)のカードは両者譲らず1-1の引き分けとなった。 【フォトギャラリー】京都共栄 vs 京都橘 前期を終えて、京都橘は勝点1の9位に対し、京都共栄は未勝利で10位。「下のチーム同士の戦いで、勝点3を取っていかないと残留できない。自分たちは上の順位に進んでいかないといけないとは練習からずっと言っていた」。DF7宮地陸翔(3年)がそう話す通り、巻き返しのためにも後期初戦となるこの日の一戦は両チームともに落とせなかった。 序盤はお互いに長いボールを蹴り合い落ち着かない試合展開となったが、時間の経過とともに京都橘が、「夏以降良くなっている」(米澤一成監督)というサイドからの仕掛けで見せ場を作っていく。最初のチャンスは前半14分。自陣左でボールを持ったDF5西山朝陽(2年)が対角に展開すると右中間で受けたMF8髙谷由翔(2年)が大外にスルーパス。右SBの位置から一気に駆け上がったDF17増井那月(3年)がシュートに持ち込んだが、ブロックに入ったDFに阻まれた。続く20分にも左を抜け出したMF10桐原惺流(3年)がドリブルからゴールを狙ったが、GKの正面に終わる。 以降も京都橘は相手のゴール前まで持ち込む場面が続いたが、思い切りの良い飛び出しが光ったGK山本大智(2年)を中心とした京都共栄の守備を崩し切れない。1年生ながら夏休み前からキャプテンを託されるMF10岡本暁真(1年)はこう振り返る。「相手にボールを回されるのは当然なのですが、中央を固めて前から強く出ていこうと意識していた。加えて、1対1でまず負けない、その後のカバーも意識していた。どんどん思い切って行くことをチームの課題としてやってきたので、今日はしっかり行けていました」。 後半も立ち上がりは京都橘のペースで試合が進んだが、後半13分には京都橘のミスによって右サイドの高い位置で京都共栄がスローインを獲得。ゴール前に入ったロングスローはPA内で混戦となったが、DF6大野洋翔(3年)がきっちり押し込んで京都共栄が均衡を崩した。 先制しながらも試合終盤の失点によって、白星を逃してきた夏休みの教訓を生かし、逃げ切ってプリンス初勝利を掴みたかった京都共栄だが、岡本が「得点してから、相手に流れを持っていかれてしまったのが僕たちの課題」と振り返った通り、流れは続かない。18分にはサイドからのクロスを跳ね返したところ、MF6執行隼真(3年)にダイレクトで打ち返され、同点にされると以降は京都橘のペースとなった。 31分にはGK1櫛田武蔵(3年)のキックをFW11伊藤湊太(2年)がヘディングですらし、FW9高橋優(3年)がシュート。試合終了間際にも右サイドでの仕掛けから執行、MF16河村頼輝(2年)と繋いでゴールを狙ったが、2点目は生まれることなくタイムアップを迎えた。 浮上のきっかけを掴みたかった両チームにとっては手痛いドロー。「勝点3を積み重ねることができなかったのは自分たちの弱さでもあるし、最後のところで決め切りたかった」と宮地が話せば、岡本も「勝てない試合が続いて、メンタル的にも厳しいのですが、とにかく勝つしかない」と続ける。京都橘の米澤一成監督が「勝てないチームの特徴が出たゲーム」と口にする通り、改めて課題が見える試合ではあったが、両チームともに夏休み期間での成長が感じられたことも確か。1勝すれば浮上のきっかけが掴める気配もあるため、次節以降の戦いに期待した (文・写真=森田将義)