冷却シートでは全然間に合わない…子どもに熱中症の症状が出たら即実行したい"最速で体を冷やす手段"
■同時に水分と塩分を与えよう そうして体を冷やすのと並行して、水分と塩分を摂らせましょう。熱中症は体が熱くなりすぎ、その体温を下げる目的でかいた汗が多すぎて水分と塩分が減ってしまうことが原因だからです。 熱中症の治療にはスポーツ飲料ではなく、経口補水液がいいでしょう。あるスポーツ飲料は100mlあたり食塩相当量が0.12g、あるリンゴ100%ジュースは0~0.20g、経口補水液は0.292gです。水分も塩分も糖分も同時に補給できます。でも、塩分タブレットやおせんべいなどの食品で塩分を補えるなら、水でもお茶でも清涼飲料水でもいいでしょう。 自力で水分を摂れないようなら点滴をしなくてはいけませんから、すぐに小児科へ行くか、具合の悪さによっては救急車を呼びましょう。意識がなかったり、呼びかけに応答しなかったり、けいれんしたりしていたら、迷わず119へ。 子どもの熱中症は、とにかく予防に努めるのが最良です。夏は必ず暑くなりますし、子どものどういった点に気をつけたらいいのかはわかっています。ぜひ、安全に楽しく夏を乗り切ってください。 ---------- 森戸 やすみ(もりと・やすみ) 小児科専門医 1971年、東京生まれ。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都内で開業。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本を書いていきたいと思っている。『新装版 小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』など著書多数。 ----------
小児科専門医 森戸 やすみ